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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第293話 ペルシア侵攻

日本は長期休暇の真っ最中だが、戦争に休みはない。8月13日に、ペルシア軍が一大攻勢を仕掛けて来た。インド西部でパキスタンの独立させ、インドに侵攻させていたペルシア軍を転向し、戦力を集結させたのだろう。日本とペルシアの戦いでは、1番規模の大きな会戦になった。


しかしながら指揮官の質の差が出て、同時に日本軍は爆撃機を利用した陸空同時攻撃の戦略を完成させた。インド方面に空軍を集中させておいて、良かったと思える。


爆撃機に関しては研究所が複数存在して日に日に成長している分野だから、かなり人を殺すことに特化し始めた。爆撃機が開発されて1年近くの月日が経ったし、護衛に戦闘機を付けることで、空と空の戦いにも対応している。


爆撃機自体は小型の爆弾を4つ積むことで、戦略的に使いやすくもした。火力が必要な時には一斉に投下も出来るし、飛行機関係の研究者や開発者には頭が上がらない。


そして航空機を使ったドクトリン開発は、島津さんが中心になって行なった。絨毯爆撃よりも、後方の指揮系統を潰すための爆撃を行ない、相手の指揮が乱れたところで統率のある軍が攻撃を仕掛けている。


部隊単位での抵抗は、軍が相手だと無力だ。そして部隊対部隊の戦いでも、日本軍の部隊長が優秀なせいか勝ちが多い。纏めると、極めて順調ということだな。


「司令部を、真っ先に潰すための爆撃か。これは相手が設置した司令部の位置を読み切れないと、難しいはずだけど……」

「現地の空軍士官の中には、相手の位置を読み切る人も多いです。陸や海から、優秀で若い人材が異動しましたから」

「それに加えて、島津さんの戦術論が分かりやすいのも良いね。さっさと、島津さんの階級は上げてしまおうか」


怜可さんの言葉で中央アジア戦線の現地にまで島津さんが行っていることを思い出して、だから後方の司令部を爆撃出来たのかと1人で納得する。彩花さんを瞬間的には上回るのだから、末恐ろしい娘だ。一方で加藤さんも、エースとして活躍を始めたらしい。1人、変態機動で飛べるのだから無双状態だろうな。


加藤さんは既に戦闘機に乗って、敵航空機を8機も墜落させたとか。機銃の操作性も上がったお陰で、空軍が確実に使えるようにはなっている。最も、敵対空砲が無い地域に限るけど。未だにフラコミュ軍を相手に飛行機が使えないのは、フラコミュの都市に対空砲が多いからだな。


ペルシアも対空砲自体は持っているけど、日本の飛行機が多くなって来たからか対応が出来ていない。司令部の位置をピンポイントで爆撃し続けているから、ペルシア軍は士官から士気が下がっているとのこと。結局、ペルシア軍から仕掛けて来たヘラートという都市の防衛戦は、ペルシア軍に壊滅的な被害を与えて終わった。


「推計ですが、ペルシア軍側に6万9千の死者が出たそうです。一方で日本軍の死傷者は、1万3千人ですね」

「大勝利ではあるのだけど、やっぱりペルシア軍に交ざっているオスマン軍が厄介だな。オスマンはエジプトにも侵攻しているのに、随分と元気だ」

「……スエズ運河が失陥したということは、イギリスの再起は不可能だということです。特にビルマ方面で、インドまで侵攻するべきだという声が大きくなっていますね」

「何で、まだ戦線を増やそうとしているんだ。……ビルマ方面には、インドを外交的に切り崩してから併合する予定だと伝えてくれ」


引き続き、怜可さんから報告を聞いていく。インドでは内戦が続いていて、インド人解放戦線が優勢に戦っている。確か、シク教徒が中心の過激な連中だ。内戦でインド人をこの世から解放し続けているとか、笑えない状況だな。


一応、内戦下でも選挙は強行しようとしたらしい。もっとも、選挙をすると言っても実際に出来るかどうかは別問題だ。選挙管理委員会が複数発足して、殺し合いに発展している。どこも、不正する気満々だったんだな。もうインドは、どうしようもない状況に陥っている。


それでも日本の諜報員はひたすら東に進むよう、不可触民を中心に呼びかけを続けた。そのお陰か、ベンガル地方に人が集まっている。元々、色んな民族でごった返していた地域に不可触民が集まったから、非常に困惑している模様。


そこに、日本軍が進駐する予定だ。不可触民達の中にいる、頭の良い不可触民達を擁立して政府にし、独立の宣言を行なう手筈になっている。経済活動にまだイギリスのお金を使っているみたいなので、日本円の導入も行なうかもしれない。


……イギリス経済はもう崩壊したのに、まだインドではイギリスの紙幣が使われていたのが面白い部分だな。まだインドでは、イギリスの紙幣に価値があったということに他ならない。単に紙幣が無価値だと、考え付く人も少なかったということかな。


ペルシアやスペインには騙されたけど、インドのデリーには日本の諜報員がいるから内戦が継続していることは事実だ。首都近郊では破壊された建物も多くなって来て、食料が不足し始めている。インドの食料生産量自体は多いけど、その輸送を行なうインフラ機能が停止したから、人が多い都市部では食料が不足するんだよな。


諜報活動も命懸けだけど、選出された人員を派遣できているので死者は少ない。地道に、浸食していくことがインドでは重要だ。既に不可触民や、ヒンドゥー教徒以外のグループには接触をしている。纏まったインドとして自立はさせたくないし、可能な限り日本にとって都合の良い状態にしたい。

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