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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第287話 戦争の死神

8月5日。早速と言って良いのか分からないけど彩花さんの実家の牧場の一角で基礎工事が始まった。建築に必要な書類は少ないし、根回しはしていたからすぐに建てられるとは言っていたけど、早すぎる気はする。


ここら辺一帯は、化粧品の研究所兼開発所兼工場となるのか。北海道というだけで何となく綺麗な水のイメージがあるし、立地は悪くない。近々、青函トンネルを掘ろうともしているしな。


日本国内のインフラ促進を行なっているから、北海道でも主要の道路はアスファルトになっている。満州付近や旧中国領、インドネシア、マレーシアなどの石油産出で、十分なほどの石油を確保している。これから日本国民全員が自動車を持つような社会になれば、流石に間に合わないと思うけど。


石油依存の社会にはならないよう、早め早めにバイオ燃料の開発は急がしている。日本は食料生産量が多いから、バイオ燃料へ食料を回してもさほど問題にはならないし、むしろ余っているのだから開発して欲しいぐらいだ。後は電気自動車やハイブリッドカーも、概念を渡している。今はまだ理論段階だけど、いつの日か完成はするだろう。


現状、1番注力をしているのは戦闘機と爆撃機開発。それに加えて、計算機が欲しいので計算機開発には人員を割いている状態だ。後は魚雷やソナーなどの艦船の兵装に加えて、空母や新型の駆逐艦も設計中になっている。潜水艦は、試作潜水艦を建造中だ。


未だに、アメリカ大陸では風船爆弾が有効な手段になっている。民間へのダメージが加速しているから、下劣な手段であることは認識している。だけど戦国時代でも、世が世なら俺の評価は悪逆非道だっただろう。何と言うか、風船爆弾は名前のせいで印象がマイルドになっているとしか言えない。


「そう言えば、メキシコから何か連絡はあった?」

「メキシコからはテキサスの要求がありました。元々、メキシコの領土だったようです」

「……いや、それは断ったよねぇ?何と言うか、図々しいな」

「もちろん拒否しましたよ。しかし旧領回復を日本側は認めているので、テキサスもメキシコの旧領だから侵攻させろという主張ですね。すでに、日本軍がテキサスへは侵攻を開始していますが」


アメリカ大陸の戦争経過が届いたので眺めていたら、また急に旧領回復に向けて動き出したというメキシコが気になる。なので愛華さんにメキシコから連絡があったのかを聞くと、随分と図々しい要求をしていたようだ。


確か、テキサスには石油もある。砂漠地帯だけど、資源はあるしフラコミュの都市も存在する。昔はメキシコの領土だったのだろうけど、そこまでの侵攻を認めるわけにもいかない。


というかメキシコは首都すら陥落して7割以上の領土を失陥していたのに、勢いづくと非常に厄介な存在になっている。軍を逃がしていたからか、それなりの戦闘力は残っているし相手にするのが面倒だ。何気に、暗号技術や暗号解析に関してはかなり優秀だというのも腹が立つ。


最悪のケースも、考慮しておいた方が良いかもしれない。旧領回復をするために日本軍と共闘してフラコミュ軍を追い出したのは、フラコミュという共通の敵がいたからであって、メキシコは元々孤立気味の国家だった。フラコミュに全軍を差し向けたら、簡単に背中を刺してくるかもしれない。


……南を進むサンディエゴ方面軍に、より兵力を集中させた方が良いな。常久さんだってメキシコの裏切りぐらいは頭に入れているだろうけど、念のために伝えておく。中米諸国や、大コロンビアまでフラコミュ側だとかなり厄介な戦況になるしな。


国際的な非難という行為に意味が無い今、メキシコは漁夫の利を狙える立場であることを忘れてはいけない。


上陸した軍は順調な一方で、アラスカ戦線はあまり動きが無い。少しずつ押してはいるのだけど、このペースだと大西洋まで後10年はかかりそうなぐらいに歩みは遅い。やっぱり、列車砲が無いと前進出来ないレベルで敵軍が多いことは厄介だな。特にアラスカ戦線は民兵の投入率が高くなっており、相手は膨大な死体の山を築いている。


「アラスカ戦線では、不破野さんの活躍も聞きますよ。開戦から1年が経過して、不破野さんのスコアは1700人になりました」

「……1人で、1700人を殺したの?」

「そういうことに、なりますね。1日に平均して5人を狙撃して殺しているのは、少し異常ではありますけど、現場では頼れる隊長になっているそうです」


久しぶりに不破野さんの名前を聞いた気がするけど、アラスカ戦線で元気に死神をやっているそうだ。特に降雪時は真っ白な装備で真っ白な不破野さんが敵の視界から消えるそうなので、11月から2月までの僅か4ヵ月で1000人を射殺したようだ。青森で訓練していたのは、無駄では無かったな。


ちなみに不破野さん以外にも数人、スコアが1000人越えのスナイパーがアラスカ戦線では誕生したようなので、スコア1000以上の人には新しい勲章を授与することが決まった。というか不破野さんが率いる中隊だけで、10000人近いフラコミュ人が死んでいるのは異常だろう。


中隊ということは、250人ぐらいのはずだ。それで1個師団規模を壊滅させたのだから、凄いの一言では済ませられない。まあ、基本的にアラスカ戦線では日本が防衛側だったことや、敵に民兵が多かったことも含まれるだろう。とりあえず手紙で、生きて帰ってくるようにと伝えておくか。

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