表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十章:世界大戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

294/425

第266話 胡蝶の夢

2023年3月10日。夢で見た改変前の日本の未来について、分かったことや疑問に思ったことを仁美さん、彩花さんに伝えていく。


「昨年はとうとう高齢者率が30%を超えたと言って、絶望していませんでした?」

「してたね。今年はあまりそっち方面に意識が行って無かったから、爽やかな目覚めだったのか」

「新日本革命党……やはり、改変前の世界でも秀則様は重要人物だったのではありませんか?」


彩花さんに昨年の夢について触れられたので、悪夢とは感じなかった理由が分かった気がする。そして仁美さんがとんでもないことを言い始めたので、訂正しておこう。


「あくまでも、俺は平凡な男子高校生だったんだからそれは無いよ」

「いえ……改変前の世界で将来的に、何かをしでかす存在だったのでは?」

「……うん?

…………うん?」


改変前の世界は、今まで並行して進んでいる世界だと勝手に思い込んでいたけど、あれが遠い過去という話もあり得るのか。オカルトは認めない主義だったけど、今では認めている部分もあるし、一考の余地はあるな。


……俺が未来で、何をしでかしたのかは分からない。今日の夢が、過去の出来事だったと言うのなら、知らないことが夢で出て来たことも理解は出来る。


本当に、何をしたのかは分からないけど。政治家は16歳時点の俺で、無理だと思うような職業だ。でも20歳の俺が、無理だとは思わなかったのかもしれない。


SNSを中心に政治活動なんて、難しそうというか無謀な気しかしないけど、あの夢に出て来た俺は今の俺より判断が甘いのかな。


「まあ、今の世界には関係が無いから夢は夢として利用するけどね。でもそうか、最低賃金を上げればIoT化は当然の流れか」

「あいおーてぃー、ですか?」

「IoTはInternet of Thingsの略だった気がする。まあ、全自動化のことだね。格安賃金で働いてくれる人がいなくなったから、全部自動化してしまうの」

「全自動化ですか。今の日本では、まだまだ追い付けないですね」


仁美さんがIoTについて突っ込んで来たので、解説をしておく。Iがインターネットかインテリジェントか分からなくなったけど、たぶんインターネットだったはず。まあ、意味さえ分かっていれば問題は無い。


企業を実際に経営した立場にもなったから分かることだけど、本当に人件費は占める割合が大きい。最低賃金で働かせることが出来るなら、最低賃金にするのが当たり前でもある。最低賃金が上がれば、安い賃金で働いてくれる人は0になる。


失業率5%が、どこまでヤバいのかは分からない。いや、イギリスで確か失業者の割合が5%を超えて、グレートブリテン共産党の勢いが増しているとか言っていたな。赤化するほどの危機では無いだろうけど、赤い政党が幅を利かせそうだ。


……今の日本の完全雇用は、ある意味完成されていると言っても良い。これが機械化されていって、余った人員をどうするのかは考えないといけないことだ。IT分野が発達したら、幾らでも人員を割けるのだけど、それもまだまだ先の話だろう。


「高齢者が多い社会で、出生数が減っているのはいつ破綻を迎えるか、今日の夢で何か分かりましたか?」

「いや……破綻はまだ起きて無かったし、破綻するのがいつなのかは結局分からないな。でも成人式の挨拶で、2023年に産まれた人の数は71万人だと言っていたな。そして今年は、70万人を切りそうだとも。でも、結局のところ若者の数が目に見えて減るのは20年後だし、どうしようもないんじゃないかな?」

「……それ、自然に減る人口数はどれぐらいですか?」

「死者数から出生数を引いた数のことなら、50万人ぐらいは減ってそう」


彩花さんが、自然に減る人口数を聞いて来たので簡単に頭の中で計算すると、恐ろしい数が算出された。今の戦争中の日本でも、1年で50万人も減らないからだ。というか、戦争で十数万人が死んでもなお今の日本は増加傾向だし、人口が減ることに現実味が無いから想像が難しい。


2023年の出生数は、壇上にいた人が71万人だと言っていた。2019年は86万人だったから、随分と減ったものだ。2016年に100万人を切ってから、凄まじい勢いで衰退していると言っても良い。でも、強制的に子供を産ませるわけにもいかないから、結局は子育て支援を推進していくしか行政は打つ手が無い。


生涯未婚率も深刻な問題になっていて、労働人口は移民で賄うしか無くなっていた。日本の女性達は、出産の痛みを強要されたくないと言っていた。基本的に、その主張は未婚の人しかしていなかったが。


この先の日本というのを、夢という形でも見たい。それを反面教師にすることは出来るし、個人的な興味も尽きない。超々高齢社会の先というのを、見てみたい。


……とりあえず、出生率の維持だけはしっかりと管理するよう言っておこう。この出生率さえ間違えなければ、国の衰退は無い。結婚の自由化は感情的に推進したいけど、お見合い結婚が悪いというわけでは無いだろう。今のバランスを、崩壊させる意味は無い。


改変前の日本は全自動化が、間に合うか否かが焦点だ。AI関係がもっと発達すれば未来はあるだろうけど、実用化までにはあと何年かかるのだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ