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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十章:世界大戦

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第262話 海戦の意義

3月3日にフラコミュの艦隊がパナマ運河を通過したことと、パナマ運河自体を破壊したという情報が入る。元々パナマ運河は戦争中に爆破する予定があったとは言え、凄いことを決行したものだ。


……どんな脅しがあったのかは知らないが、フラコミュの艦隊がパナマ運河を通過したということは大コロンビア王国が日本やイギリス、プロイセンに対して背いたことになる。パナマ運河の爆破は、実行出来て良かったとすら思える。一度の背信行為を見逃せば、何度も繰り返されるからな。


パナマ運河の修復にどれぐらいのお金が必要なのか分からないけど、戦争が終わったら日本の金で直すとは言っておこう。日本が爆破したことは向こうも分かっているから、隠すことはしない。むしろ、コロンビアの背信行為を徹底的に追及する。


コロンビアがどれぐらいの国力かは読めないけど、人口は1億人を超えてないだろうし、工業化はあまり進んでいないように思える。敵に回ったら厄介ではあるけど、パナマ運河を爆破済みなので戦況が極端に不利となるわけではない。


パナマ運河を通行できなくなると、太平洋に入り込んだフラコミュ艦隊はパナマ運河から大西洋に出られないし、太平洋にフラコミュが追加で艦隊を派遣することも出来ない。太平洋に入り込んだフラコミュの艦隊は巡洋艦が9隻、駆逐艦が17隻とのことなので、結構な規模で派遣してきたな。


おそらく、日本軍の補給線を断ちたかったのだろう。太平洋を縦横無尽にフラコミュの艦隊が暴れ回ったら、被害はかなり大きかったはずだ。フラコミュの艦隊がパナマ運河を通過したと連絡してくれたコロンビアの売国奴には感謝しないといけないし、日本からは売国奴が出ないようにしないといけない。


……誤報の可能性は一応あるけど、パナマ運河を爆破した日本人は太平洋側にフラコミュの艦隊を確認しているので、たぶん誤報では無い。日本人が買収された可能性は、0じゃないけど限りなく低いだろう。


コロンビアが背信行為をした理由としては、スペインの共和派の影響が大きい。昨年から始まった内戦は、未だに着地点が見えない。裏切り行為を行なう者が続出し、賢い人間ほど保身に走る。内戦の規模は拡大し続けていて、首都のマドリードでさえ治安が怪しい。


スペインからの影響力が途絶えたからか、コロンビアは自分勝手に動き始めている。今回の件は、スペイン人がしっかりしていれば起きなかっただろう。


今の世界のコロンビアは、改変前のコロンビアとベネズエラとエクアドルとパナマが合体しているような国だ。世界最大規模の油田であるマラカイボ油田を保有しているから、国力的に低いということはあり得ないのだけど、日本から遠いせいで入って来る情報も少ない。


とりあえず、太平洋に入って来たフラコミュ艦隊と大コロンビア王国への対応で参謀本部は大忙しだ。


「戦艦がいたら厄介だけど、巡洋艦と駆逐艦が相手なら何とかなる?」

「いえ、数が多いので完全に仕留めるのは難しいかもしれません。日本の艦隊は、まだ復興中ですし。改初風型駆逐艦が昨年の9月の海戦から今までで60隻ほど完成していますが、数が足りていません」

「……士官の数が、だよね?」

「……はい。船は大量に建造出来ても、優秀な人材はすぐに増えません」


海軍関係の情報は彩花さんに集まっているけど、昨年の海戦で手痛い被害を被ったせいか艦隊の再建は遅れている。最大の原因は、士官不足だろう。枠を広げて募集しているし、入って来る人間はみんな基準を満たした優秀な人なのだけど、教育期間が足りてない。


前の海戦で生き残った者は、慎重に扱わないといけないし大変だ。その海戦で活躍した駆逐艦は、フラコミュ戦艦に7発も主砲を当てた初風と巡洋艦を沈めた潮風だな。両方とも大破はしたけど、沈んでいない。


「豊森 保孝(やすたか)さんと、北目(きため) 良助(りょうすけ)さんを昇進させといて。この2人は前の海戦中に、臨機応変に動けている」

「可能ですが、北目さんもですか?」

「第一駆逐隊だけ戦果がおかしいのは、保孝さんと北目さんがいたからじゃない?というかこの北目良助さんって、留学生の北目 智佐代(ちさよ)さんのお父さん?」

「そうなりますね。ちなみに保孝さんは常久中将の異母兄弟です」

「……本当に遺伝子が働くというか、血縁関係は強いね。豊森家だから出世しているわけでは無いことは理解してるし何も言わないけど、言及はしたくなったよ」


大破した17隻の駆逐艦は、内2隻が修理不能だとして自沈させている。残りの15隻は、急ピッチでの修理となった。修理する際は大破する前より頑強にしろと言ってあるので、たぶん装甲部分は厚さを増していると思う。


修理した駆逐艦と新しく建造した駆逐艦は合計して80隻を超えるので、40隻ずつの集団にしてサンフランシスコ方面への補給線の護衛組と、サンディエゴ方面への補給線の護衛組に分けている。艦隊は4隻で1組を、10組ずつということになるな。それぞれの司令官として、保孝さんと良助さんを任命しておこう。


……改初風型より初風型の方が生存率は高いような気がするけど、改造する前の方が装甲は薄いし足も遅いので、何で生き残っているのかは分からない。まあ、確率の誤差の範囲だとは思うけど。士官不足に関しては、強引に乗組員の中から選抜した者もいるし、引退している士官も引っ張り出した。不安は残るけど、仕方ない。


太平洋に入り込んだフラコミュ艦隊を、叩きたい気持ちはある。しかしどこにいるかも分からない上に、もしかしたら南アメリカ大陸の南を通って本国へ逃げ帰っているかもしれないから探すのは難しい。


機動力のある艦隊が相手なので、日本の艦隊だと追い付けるのかは不明。前回は、戦艦がいたから逃げ遅れたのではないかという意見もあった。戦艦だけ残して逃げるという選択肢を選ぶのは難しいし、分からなくはない。


結局、フラコミュ艦隊の位置は輸送船が襲われるまで分からないだろう。制海権が確保出来ている内は何とかなるはずだけど、太平洋は広すぎる。向こうの艦隊の航続距離にもよるけど、コロンビアが石油の提供までしていたら対応が難しいな。コロンビアにも艦隊は存在するし、悩ましい局面だ。

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