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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十章:世界大戦

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第257話 インド洋

オスマンとペルシアが組んだことで、インド洋の制海権が怪しくなってきた。英国艦隊がフラコミュ艦隊を相手に消耗したため、オスマンとペルシアの艦隊を相手に制海権を維持出来なくなって来たのだ。


だからと言って、日本の艦隊をインドへ派遣するわけにはいかない。日本のほぼ全ての艦船は今、アメリカ大陸と日本を繋ぐ補給線になっている。少しでも捻出すれば、その分だけアメリカ大陸にいる日本軍兵士がひもじい思いをする。


だから、飛行機を派遣することにした。とうとう飛行機の、初の実戦投入というわけだな。前に見た爆撃機の試作機は、何回かの改良を加えられて量産されている。そろそろ、航空戦力は2個航空師団規模になるところだ。それをインドへ持って行って、制海権確保に役立てて貰おう。


もちろん、飛行機は対艦用の油炎弾も積むことが出来る対艦爆撃機だ。燃える粘性の液体をばら撒く爆弾は、対処法を確立させた方が良さそうだな。バクー油田の火災を聞いて消火器の開発も始めていたけど、ちゃんと対策をしないと真似されそう。


「というか、ロシアがオスマンに苦戦している理由って何?今までは優位に立てていたのに、急に崩れるのはちょっと違和感があるのだけど」

「それが……どうやらロシア軍は、冬の装備を持っていなかったようです。そのため、オスマン軍の攻勢に手間取っているのかと」

「……えぇ。ロシアが、冬に苦しんでいるのか。ロシア側のスカンディナヴィア戦線の方は、大丈夫だよね?」

「そちらは、戦闘自体が小規模の様です。スカンディナヴィアは大軍を編成するための士官が足りないようで、戦略レベルの失敗を繰り返しているとの報告があります」


ロシアは3方向に戦線を持っているけど、どこの戦線も優勢にはなっていない。唯一優勢だったオスマン戦線では、冬に逆襲をされている。冬用の装備を軍が持って来なかったようだけど、どれだけ楽観的だったんだ。


……いや、楽観的だったのは共産主義陣営も同じだし、日本も楽観的だったか。戦争が長引くに連れて、参謀本部では覚悟の決まった顔をする者も多くなって来た。本当にとんでもないことになっているという自覚はあるし、各国は必死だ。


だけど、やっぱりロシアが冬のせいで押されているというのは違和感がある。お陰で、ロシア軍は1個軍団が丸々包囲されて、軍が攻撃を受け止められなくなっている。イギリス領のインドもペルシアを相手に悲鳴を上げているし、全体的に見れば非常に辛い。


「……イギリスに、中東の利権を要求してくれ。オスマンを殺し切った後は、アラビア半島を寄越せと言ってくれ」

「アラビア半島をですか。イギリスが素直にうなずくとは思えませんが、交渉してみましょう」


イギリスがアラビア半島に固執していることはロイズさんとの会談で把握している。おそらく、石油が大量に埋蔵されていることも把握しているだろう。それでも、要求することに意味はあるので仁美さんにお願いをしておく。交渉決裂したら、実効支配も視野に入れるか。


ペルシアとオスマンは、元々日本の担当では無かった。それなのに助けるのだから、裏取引はしておくべきだろう。イギリスも、状況は分かっているはずだけど、追い込み過ぎるのも怖い。下手を打てば、暴走をする可能性もある。


アラビア半島の全てを手中に手に入れなくても半分……いや、4分の1を確保出来ればそれで良い。最悪、ペルシアに近い海岸付近を奪取出来ればそれで良い。大事なのは、石油が出る地域だ。確かアラブ首長国連邦とクウェートは、イランに近い地域だったと思う。


ペルシアを相手にする以上、ペルシアは占領したいし、その延長線上にあるアラビア半島へは手を出したい。ペルシアのアバダン油田は多くの石油が産出するようだし、個人的に確保したい地域でもある。


ペルシアの旧アフガニスタン領から、ペルシアへ侵攻することが出来るのはある意味で良いことなのかもしれない。幸い、陸上戦力は出し惜しみしている部分もある。日本軍は理論値で300万人を軍人として動員出来るし、徴兵を始めればもっと増えるが、ただ出血を強いるのも国への忠誠心を削ぐ行為になるだろう。


……イギリス軍やインド人を最大限に利用して、油田地帯だけを確保する。とりあえずは、これが目標になるかな。


「秀則さん、油田が多くありそうな地域をこの地図で塗りつぶして下さい」

「ええっと、イランのこの辺がアバダンで、クウェートがあった地域と、アラブ首長国連邦があった地域がここら辺で、ドバイがここだから、この辺かな」

「アラビア半島の、突き出ている南東部ですね。そこだけなら、何とかなるかもしれません」


仁美さんが白地図を持って来たので、ちょっと歪なアラビア半島の南東部を塗る。ペルシアの対面に位置する地域で、ドバイがある地域だ。これで要求が通ったら、本当に、ドバイの位置は憶えていて良かったというべきだな。


イギリスが、オスマン帝国とヒジャーズ王国の石油事情をどこまで把握しているかは分からない。もしかすると、単にインドへのルートを確保するためにアラビア半島を要求しているのかもしれない。その場合、アラビア半島の南東部は飛び地になるけど交渉次第で何とかなりそうだ。


もしもペルシャ湾沿岸部を総取り出来れば、非常に美味しい結果となる。イギリスの諜報員が、石油の埋蔵量についてどこまで把握しているかにかかっているな。

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