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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十章:世界大戦

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第248話 主席

フラコミュの主席は7人いる。序列は無く、全員がトップという扱いだ。この7人の席は給与が少なくても奪い合いになるようで、沢山の立候補者が出る。というか立候補者が多すぎて選出することが最大の祭りのようだ。


まずは地区で選挙をして、トップ通過だけが地域での選挙に参加して、その後は国全体の選挙を行なうらしい。また、国家主席の任期は10年でフラコミュが成立した後に追加されたようだ。


正確には5年×2だけど、基本的には連続当選するらしい。そして最長でも10年だから、入れ替わりは多い方だろう。


……立候補者に制限をかけないと、こうなるのか。供託金は、必要なものだったのかな。


「日本だと、予算権限のある8人は出身と実力で決まる感じ?」

「そうですね。役職の地位によって壇上の8人が決まります。

出身もそうですけど、何をしているのかも大きな要素ですね」


日本で予算権限を持つ8人の選出については、仁美さんが行なっている。むしろ、仁美さんは選出を行なう役職だと言っても良い。仁美さんに聞くと、何の役職についているのかも参考にして選出しているとか。今まで仕組みを知ろうともしなかったけど、日本の仕組みもわりとおかしいか。豊森家かそれ以外で差がある時点で、公正な社会ではない。


最終的な予算決定の権限を持つ人が、部門ごとの予算編成も行なっている。例えば恒一郎さんだと森林関係の予算編成を行ないながら、他分野の予算を監督するということもしている。その上で最終的な予算編成についても口出しを出来るのだから、仕事をし過ぎた。


役職が、2重3重にあるという状態だな。その分の賃金は払われているけど、忙しさは尋常じゃないはず。俺だったら基本的にミスが許されない社会で2つも3つも同時に上の役職には就きたくは無いかな。


フラコミュの政治制度を知ったところで、フラコミュの政治家の仕事量も上に立つにつれ過酷になっているということを聞く。フラコミュは本当に能力が高いほど損をする社会システムらしい。全国民が、狂っていそうだな。それでよく世界一の大国になったと感心はするけど、真似だけはしたくない。


「日本もわりとブラックだけど、フラコミュが世界一だ。同一賃金こそが平等な社会だと信じて、それを追随する人が多い。同一賃金は決して平等では無いのに、平等だと信じ切っている」

「同一賃金は、平等では無いのですか?」

「例えば男性と女性だと食費が変わるし、生活必需品の量も変わる。それだけで自由に使えるお金は平等じゃないから、真に平等だと俺は思えないね。この場合、公正じゃない、か」


フラコミュ人の洗脳教育は、豊森家の洗脳教育より上だろう。今の日本はあくまでも日々の生活が恵まれていると自覚させてから国への献身を求めるが、フラコミュは最初から国民をあらゆる面で束縛して労働をさせている。


国が第一ということは日本もフラコミュも変わらないけど、本質は随分と違うようだ。まあ、今の日本も告発制度が監視役になっている感じは存在するけど、フラコミュよりマシだと思いたい。




9月10日に上陸を行なってから10月10日までの1ヵ月の間に、サンディエゴ方面の日本軍は550キロも進軍した。1日平均で18キロという驚異的なスピードで、行軍を続けている。現在は、ラスベガス付近まで侵攻している軍と、ツーソン要塞を攻撃している軍に分かれているらしい。


……というか、かなり細切れになって進軍しているらしい。速度が重要だし、急いで進んでいるようだ。そろそろフラコミュ軍と接触する機会が増えて来るだろうから、戦況はより複雑になっていく。


アメリカ大陸は、やっぱり広大だ。中国以上に大きく感じるし、補給が辛い。既に現地住民から強奪もしていっているようで、占領後の統治が不安になってくる。補給線も伸びきっているし、追加の部隊はどんどん送り込まないと、兵が少なすぎて占領出来ない。


2方面で60万人という軍を派遣しても、西海岸を占領するだけに留まりそうだ。フラコミュも奇襲から立ち直ったようで、上陸軍を取り囲むように軍を配置し始めたようだし、このままだと不味いのは俺でも分かる。


アラスカ方面では戦力低下の隙を狙った攻勢にも出たようだけど、いざ進軍するとなると線路の敷設が間に合わないから列車砲の移動が遅れる。アラスカ方面から領内へ侵攻しても効果は薄いようで、逆に手痛い反撃も何回か貰った。


占領しないといけない地域が多すぎるから、アメリカ大陸を制圧するにはかなりの時間がかかりそうだな。少なく見積もっても、2年はかかりそうだ。フラコミュの抵抗が頑強で、かつ要塞の数が想定より多ければ3年ぐらいかな。


それまで、プロイセンが保つかは分からない。これから冬を迎えるし、11月に入れば戦線は膠着するだろう。それまでに、どこまで前進出来たかで今後の方針も変わって来る。メキシコ軍の進軍も順調そうなので、フラコミュ軍がどういう風に対応をするか、予測して裏を突きたい。


……冬の間で、戦線が動くとしたらメキシコ方面か。欧州の方は両軍ともに動けないだろうし、その間にプロイセンは統一司令部による体制を整える。まだまだ先は分からないけど、出来ればこの冬の時間を有効活用したい。


冬季戦用の騎兵師団は、動かすか迷うな。アラスカ戦線で前進することにさほど意味は無いけど、フラコミュ軍の野戦軍を包囲殲滅出来るなら実行したい。まあ、常久さんが判断するだろうから見守ろうか。

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