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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十章:世界大戦

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第242話 国の消滅

アフガニスタン民主共和国。日本の旧中国領の西にある人口3000万人弱の国は、9月20日の今日、消滅をした。


ペルシア軍はアフガニスタン領内に侵攻して、略奪と破壊の限りを尽くした。男は全員殺され、女子供は持ち帰る。野蛮な国だなぁと思ったが、日本も似たようなことはしているので何とも言えない気分になった。


これにより、日本はペルシアと国境を隣接。ペルシアがイスラム教の国の中で最もヤバそうな国だという事を、隣接して初めて理解するという。使者を送っても返って来ないし、噂によるとイスラム教徒以外に人権は無いらしい。


「7月16日にペルシアがオスマンに宣戦布告、その直後にアフガニスタンがペルシアに宣戦を布告したんだよな?2ヵ月で敗れるって、一体何があったんだ?」

「単純にペルシアの国力が、アフガニスタンの想定よりもずっと強大だったのでしょう。それに、アフガニスタンは国として纏まりきっていませんでした。早期の降伏は、必然だったかと」

「アフガニスタン側から喧嘩を売って、アフガニスタンが併合されるのは流石に首脳陣の頭が悪い。というか、アフガニスタンは何でペルシアに喧嘩を売ったんだ」

「オスマンか、イギリスやロシアが動いた可能性はあります。少なくとも日本は、内戦が終わりそうになって以降、大した介入を行なっていません」


仁美さんと話し合っていると、アフガニスタンがロシア、ペルシア、インド、日本に囲まれた国だという事を思い出す。どこかの国が、介入した可能性はあるか。そもそも、内戦が終わってまだそれほど時間が経って無かった。まだ種火は残っていた状態だし、団結度はかなり低かっただろう。


これでペルシアが強大になって敵に回ると、わりと面倒なことになる。現在、イギリスはインドから兵や物資を徴収しており、非常に手薄な状態だと思われる。そこを狙われると、日本としてもとても面倒なことになる。インドが潰れたら次は日本のビルマ方面だろうし、ペルシア軍の軍力が分からないというのは怖い。


オスマンとペルシアは、オスマンがロシアに宣戦布告をした日に、戦争状態に入ったということだけ情報として流れている。だけど、ここの戦線がどうなっているのかは一切分からない。どういう戦闘になっていて、どちらが優勢なのかも……。


……戦争を、しているフリをしているのか?メリットは、アフガニスタンが釣れることと、日本、イギリス、ロシアの油断を誘えること。それに対してデメリットは、パッと思いつかない。


これは、余裕があるような状況じゃないな。オスマン軍にロシアもイギリスも押されているのは、オスマンとペルシアの間で戦争なんて起きて無いからじゃないか?そもそも、オスマンへの宣戦布告だけ全世界に向けて発信していたのは不自然だ。


「……戦争をしていると、思い込まされているのか?」

「それは……可能性として、無くは無いと思います」

「オスマンとペルシア間で、戦争が起きていることを確認したいけど、良い方法が分からん。飛行機を飛ばしても、距離的に無理か?」

「そこまで長距離を飛べるようになっているわけではないので、例えロシア領内から飛ばしても確認は難しいかもしれません。しかし、確かに戦争をしていない可能性というのはありますね」


仁美さんに戦争をしているフリをしているのでは無いかと言ったら、可能性はあるでしょうと言って考え始めた。例え戦争状態に入っていたとしても、何らかの協定で戦闘自体が起こってなければ同じことだ。この状況は、何らかの取引が行われていると俺は思った。


すぐにこのことは参謀本部に伝えられ、協議するという返答があった。いや、俺が考え付くようなことを検討もしてなかったのか。案外、情報戦には疎いのかもしれない。俺も騙されていたわけだから、人のことは言えないが、誰も可能性として思い浮かばなかったのだろうか。


現時点での問題は、イギリスがどれぐらい事情を把握しているかだな。急いで電話で事情を各国に話したいけど……まだ確定情報では無いし、可能性の示唆しか出来ないのは辛い。でもまあ、ロシアには確実に伝えておいた方が良いだろう。


バクー油田の放火は、オスマンの工作員ではなくペルシアの工作員という可能性もある。むしろ、その可能性の方が高い。バクー油田の位置的に、オスマンの仕業だとは考え辛かった。考えてみると、ペルシアはロシアに宣戦する可能性も少なくないはずだ。


ペルシアがロシアへ攻撃をするか、インドを攻撃するか。この心配が杞憂であれば良いけど、もしもオスマンと手を組んでいれば可能性としては非常に高い。アフガニスタンを併合したことで国力は確実に高まっているだろう。国内の雰囲気も、戦争の勝利があったのだから攻撃的なはず。


「ペルシアがインドに攻め込んだとして、インドは防衛出来そうか?」

「イギリスが、どれほど徴兵しているかによりますね。インドの民兵組織がどこまで戦えるかになりそうですが……混乱に乗じて独立する勢力というのもありそうです」

「今このタイミングで独立運動とか、ペルシアに轢き潰される未来しか見えない。独立運動が激しいのはどこの勢力だ?」

「北インドに広く分布する、シク教徒ですね」


インドでは既に各地で独立運動が起こる機運が高まっているが、仁美さんが最も警戒しているのはシク教徒とのこと。シク教について聞くと、若干日本教と似ている部分があることを知る。戒律も無いし、他宗教を迫害することもない。とにかく真面目に仕事をして輪廻転生を繰り返し、神を目指すという宗教だ。


そんな宗教を信仰している人達が独立しようとしているのは謎だけど、扇動者がいるのか?宗教的な対立が深まっているようだし、中央アジアの情勢は読み辛い。一先ず、これ以上ビルマ方面から軍を引き抜くのは止めておくか。

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