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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十章:世界大戦

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第237話 試作潜水艦

8月10日の朝、ロイズさん達が本国へ帰るそうなのでお見送りをする。と言っても、駅で別れを告げただけだ。日本という国がどういう国なのかは知って貰えたと思うし、色々と外交面での成果や情報の更新もあった。


「お世話になりました。また、会えることを楽しみにしています」

「こちらこそ、色々と情報をありがとう。次は、こちらからイギリスに行きたいね」

「いつでもお待ちしています。次に会う時は、平和が訪れていると良いですね」


最後はロイズさんが日本語で別れの挨拶を行なう。個人的に、イギリスは行ってみたい国の中でも上位なので訪問したいけど、おそらく豊森家が日本から出してくれない。美雪さんなら外国に行けるのに、俺だと駄目なのは何故なのだろう。


ロイズさん達を見送った後は、彩花さんの実家に戻ってプロイセンから買い取った潜水艦の基本構造が描かれた図面を眺める。……俺が今、手に持っているのは、写しの写しのそのまた写しだ。ようやく技術を買い取れたので、試作潜水艦を建造することになったけど、コストはヤバそう。お金が幾らかかりそうなのかは、聞きたくないな。


潜水艦の基本構造としては、空気を圧縮して貯めておく部分が重要となる。そこのノウハウを知りたかったのだけど、図面の方に大体書いてくれているので何とかなりそうだと言っていた。ただ、正確に再現するのも難しいだろうし、技術的に不足している部分は出て来るだろう。


潜水艦は、注水を行なうことで魚で言う「浮袋」のような部分に水を入れる。そうすることで沈むことが出来るし、逆に空気で「浮袋」から水を押し出すことで浮上する。この根幹部分の構造を理解出来たと言っても良いので、後は耐久性だけか。潜水艦が脆かったら不味いしな。


水圧が高い海底でも耐えられるように、船体は水圧に潰されない強度が必要になる。その点も描かれているから問題は無いけど、何回か実験をする必要はあるだろう。潜水艦の武装としては魚雷を採用するつもりだけど、日本の今の魚雷は射程距離が短いので、海戦で潜水艦が使えるかは微妙だな。


潜水艦同士が戦う時は、どうするのだろう?潜望鏡で、敵の位置を確認しながら魚雷を撃つのかな?海の中を自在に動き回れる潜水艦が相手だと、魚雷を当てることは難しそうだ。というか潜水艦対潜水艦って、本当にどうやって戦っているんだ?


「潜水艦を探知できるように、海軍の方ではソナーの開発も行なっているそうですけど、難しそうです」

「音で探知する、ってことしか俺は分からんからな。反射した音を拾って位置の解析をしているのだと思うけど……超音波って、もう伝えたっけ?」

「昔、秀則さんから教えられましたね。フランス人にも確認をしましたが、人間には聞こえない音の領域、とのことでした」

「その認識であっているけど、その感じだとソナーもフランス人頼みになりそうだな」


潜水艦への対策としてソナーと爆雷というものがあることは知っている。ソナーよりレーダーの方が良いかも知れないけど、どっちが開発しやすいかと問われたらソナーだと思ったので、ソナーを優先することにした。


俺の記憶が正しければ、ソナーは音波による測定でレーダーは電波による測定だったはず。詳しい仕組みは毎度のことながら、一切わからない。どちらも、返って来るまでの時間を計測しなくてはならない上、技術的にまだまだ難しそうだから時間はかかるだろう。たぶん、今大戦中には開発完了しないだろうな。


研究開発を行なっても、実用化という最大の壁が立ちはだかる。潜水艦の実用化は、何時になるだろうか。その前に、まともな魚雷を開発出来るかどうかだな。流石に魚雷の開発まで他国頼りは避けたいので、今は必死になってフランス人と日本人の研究者が共同で作業し実用化を目指している。今は、試作品に改良を施している最中だ。


「魚雷がなぁ……この前の試作4号魚雷は、コストが高すぎて没になったんだっけ?」

「そうですね。試作する時は基本的にコストを度外視しているので、コストが高くなりすぎると廃案になります」

「コスト内に納めようとするのも難しいし、原材料費を抑えるしかないか。あ、そう言えば、軽空母の方はどうなった?」

「既に建造を始めているため、来年度には完成しているかと。海上で離着陸出来る飛行機も既に試作機を作る段階に移っています」

「水上機は、もう図面が完成したのか。一応、水上機の外観は加藤さんのお陰で見せることが出来たけど、思ったより早かったな」


海軍の技術開発も牛歩レベルでの進捗はあるようで、水上機の設計図が完成した。何か、飛行機の下側部分に舟のようなパーツを取り付けて離着水を可能にしたらしい。軽空母も1隻だけ建造を開始したけど、建造費は駆逐艦10隻分ぐらいになりそう。水上機を10機乗せるためだけに、コストがかかりすぎているけど仕方ないか。


軽空母が完成したら、空母の本格的な建造も視野に入って来る。結局、潜水艦と空母を選択しきれてない。両天秤で中途半端なよくばりプランになっているな。ただ、空母はフラコミュもイギリスも実用化していない兵器だ。海戦で戦艦より強力な兵器だとは思っているし、索敵範囲が広いのは大きい。


……海戦で、重要になるのは索敵だろう。ただ、索敵だけなら水上機母艦でも問題は無いように思える。水上機に、爆弾を積むのは難しいだろうか?やってみる価値はありそうだけど、田中さん頼みになりそうだな。

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