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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第九章:開戦とそれに至るまでの経緯

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第220話 オスマン帝国

7月16日の明朝。オスマン帝国がフラコミュ側に立ってロシアと、イギリスの保護国であるエジプトへ宣戦布告。ここまでは予想通りだけど、予想外のことが1つ起きた。


ペルシア帝国がオスマンに宣戦布告し、それと同時にアフガニスタン民主共和国も内乱が収まり切っていないのにペルシアへ宣戦布告をした。この一連の流れは、宗教も関係している。アフガニスタンではイスラム教徒が未だに分裂して内紛を繰り返しているけど、スンニー派の大元であり最大の敵へ意識を向けた形だ。アフガニスタンに近代的な軍が編成出来るかは不明だけど、それ以上にペルシアが気になるな。


改変前のイランと、その周辺を保有しているペルシアはイスラム教のシーア派の国だ。ここも近代的な軍を編成出来るかは不明だけど、大軍を編成した経験は豊富だろう。昔の戦争で20万人規模の陸軍をペルシアは動員していたとか、聞いたことがあるしな。過去の記録だから、あまり当てにはできないが。


最も、近代の戦争で20万人の軍なんて大国では1個軍程度の規模でしかない。師団を多く分けられる日本ではその1個軍が10万人規模だけど、プロイセンでもロシアでも1個軍は20万人から30万人の規模だと思っても良い。そしてイタリアでも、オーストリア=ハンガリーへ2個軍を派遣することが出来る。


オスマンとペルシアの軍規模は想像が出来ないけど、両国が潰し合うのはロシアにとって都合の良い事だろう。別にロシアはオスマンと仲が悪いだけで、ペルシアと仲が良いわけでは無い。敵の敵はまた別の敵、という状態だな。そもそもペルシアとロシアは、戦争した経験すらあるようだし。


単に、ペルシアにとってはオスマンを殴る絶好の機会だったというだけだろう。そしてアフガニスタンも、オスマンに目が向いたペルシアを殴る機会だと判断しただけだ。アフガニスタンに関しては、内乱が収まり切っていない状況での宣戦布告だけど、共産主義陣営への参加を世界へ表明したかったという理由もありそうだ。


そろそろ、戦争している国だけで世界が一周出来そうだな。アフガニスタンへの宣戦布告は、どうするか少し迷う。むやみやたらに戦線を増やす余裕も無いけど、北アメリカ大陸やプロイセンへの軍の派遣に限度がある以上は、浮いている軍が存在することも確かだ。


「アフガニスタンへの宣戦布告は、イギリスやロシアが要請して来たら行おうか」

「アフガニスタンによってインドが脅かされる可能性はありますが、アフガニスタンはインド独力で対応出来る程度の国力だと思いますよ?」

「いや、インドもきな臭い状態だと思う。独立運動が大戦のせいで過激になれば、面倒な状況に突入しそうだ」


インドでは独立運動を扇動する者が現れ、イギリスの支配から抜け出そうという機運が高まっている。インド人が多いようで、統治出来ているのかも怪しいな。


そう言えば、ガンジーのような無抵抗主義者が存在しない可能性もあるのか。ガンジーがいなければ第一次世界大戦で独立運動を抑えきれなかった可能性もあるし、インドを支配するというのは難しそうだな。


「インドの独立は、ぶっちゃけ望ましくないからイギリスの支援をするしか無いな。今また中国で独立運動を起こされても面倒だし」

「報告はされていませんが、中国での独立運動は何度かありましたよ?全て計画段階で頓挫しているので、報告はしませんでした」

「……強制移住で抵抗があったとは去年も聞いたけど、今年も蜂起したのか」

「今回は独立しようとした中国人達を告発した中国人がいるので、徐々に日本寄りの思考になって来た人も多いです」


インドを完全に支配できていないイギリスを嘲笑おうとしたら、日本もまだ中国を完全に支配出来ていないことに驚く。まあ、もう反乱する意思すら摘み取りましたと愛華さんが言っているから蜂起する回数も減っていくだろう。日本式の管理社会が徐々に浸透しているのか、告発制度が火を吹いている。偽告発を行なった中国人を、独房に入れる回数も増えているようだけど。


蜂起する回数が多いせいで、中国人が減っているようにも見える。だけど、昨年度の1年間で270万人の新生児が中国大陸だけでも生まれているそうだから、人口はおそらく減って無い。


2020年10月に終戦して、それから日本人を大量に中国大陸に送り込んで、2021年4月から2022年3月までに生まれた新生児が270万人。ちょっと異常な数だけど、この大半が混血児とのことなので文化侵略も順調だなという感想しか浮かんで来ない。これは、未婚の女性や未亡人を大量に日本人男子が引き取ってそうだ。


「……凄まじいな、としか言えないけど、これからの日本を支える赤子が増えているのだから何も言わないよ。現場がどうなっているか、大体想像は出来るけど」

「国が主導して集団でのお見合いを行なっているので、望まれない赤子は産まれていません。また、この段階で日本人男性と付き合える、結婚することが出来る中国人女性は日本に必要な女性です。


それに、中国軍は男性だけで構成されてました。特に若い成人男性は枯渇していましたので日本人男性を送り込まないと人口ピラミッドが崩壊してしまいます」


日中戦争での中国軍の死者数は改めて算出された結果「230万人以上」が「236.5万人」に修正されている。餓死者も多かっただろうし、間違いなく大きな爪痕を残している。その爪痕を修繕するどころか壊す勢いで日本人男性を送り込んで、中国人男性を引き抜いているのだから、混血児250万人は当然の結果なのかもしれない。


……長々と愛華さんが混血児の増加理由について教えてくれたけど、中国の日本化は順調だな、としか言えないな。あと混血児以外の新生児は大半が日本人なので、中国人としての血は途絶えることになるだろう。


名誉日本人の認定は、中国人に関してはそろそろ形骸化しそうだ。昨年の1年間で中国人1億人弱に対して、3000人前後しか認定されていない。

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