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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第九章:開戦とそれに至るまでの経緯

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第219話 フラコミュ陣営

2022年7月10日。アラスカの方から、とんでもない連絡が飛んで来た。内容は、フラコミュ陣営からの戦争のお誘いだ。フラコミュ側に立ってプロイセンとイギリス、ロシアへ宣戦布告して、インドとロシアへ侵攻してくれないかというもの。


しかもインドの領有権どころかペルシア以東の全ての土地を日本の領土として認めるそうで、戦時中は石油の格安販売も行なってくれるという条件付き。正直に言ってフラコミュの態度が軟化し過ぎていて怖すぎる。


たぶん、フラコミュにとって日本が味方するのは当然のことなのだろう。同じ共産主義国家としてフラコミュと日本は仲良く出来るとも思ってそうだ。または、まだロシアへ接近した日本の姿をフラコミュは捉えられていないのかもしれない。メキシコへの助力は結局、武器弾薬の提供だけだったし。メキシコシティが陥落するころには日本人外交官も脱出していたしな。


まあ、無条件で良いという条件では無い上に、今プロイセンを裏切って共産主義陣営大勝利後の世界を想像したくないから却下だ。既にプロイセンの前線には日本の軍団も派遣しているし、今の日本は共産主義とは言えない。最近考えている理念としては「自由の中で制限されるより、管理された中で最大限の自由を模索する方が良い」というものだから、共産主義とは完全にかけ離れる。


そもそも人間の能力としての不平等を国民全体が納得して認めて、人間のランク付けを行なっているのだから共産主義とは既に折り合いが付かない。それでもペルシア以東を全て領有というのは魅力的な提案ではあるけど。中央アジア一帯や、ウラル山脈、インドを領有出来れば北アメリカ大陸の領有よりも大きいかもしれない。この約束が、守られるとは思わないが。


「断って良かったのですか?今プロイセンやロシアの背中を刺せば、確実に勝てますよ」

「確実に勝てる、みたいな言葉を軍人が使っちゃ駄目な気もするけど、99%勝ててただろうね。中東まで譲られるなら、若干揺れたかもしれない」

「……中東の油田は、世界最大規模の油田でしたよね。それで、揺れる程度なのですか」

「揺れて、結局はフラコミュと敵対するかな。1番の前提として、共産主義陣営の理念と日本は分かり合えないものになるからね。後は共産主義陣営が勝った世界を想像したくない」


常久さんが今この段階でロシアへ侵攻すれば確実に勝てると言ったけど、そう簡単に勝てるかは分からない。シベリアの大地を自動車無しで進軍するのは辛いだろう。例え自動車があっても、寒冷地に適応出来なければ使えないし、ロシアを制圧するには足りない技術も多い。……これはそのまま、北アメリカ大陸を制圧するための技術が足りていないと言えてしまうな。


フラコミュとの戦争で、1番の懸念となるのは海上輸送についてだ。輸送船団が襲われまくったためにイギリスは消耗して北アメリカ大陸領を見捨てることになった。フラコミュの海軍力は、相当なものだ。それが太平洋へと差し向けられたら、勝てるとは思えない。日本の上陸した軍隊が、干上がってしまう可能性は高い。


そこで、パナマ運河の存在が重要になってくる。今パナマ運河を保持しているのは大コロンビア王国で、スペインの属国というか、スペインの同盟国的な国になる。スペインがこの大戦においては中立を表明して、共和派の内乱を抑えている状態だから大コロンビアも中立とは言っている。


しかし、コロンビアにフラコミュの艦隊の通過を抑えるだけの力があるとは思わない。フラコミュとコロンビアが激突してくれればそれはそれで有り難いけど、お金を受け取ったら通過させてしまいそうなのも確かだ。


現在、コロンビアにフラコミュの味方となるか日本の味方となるか、使者を送って確認中ではある。この大戦で、コロンビアは中立を保てる国では無い。パナマ運河という、フラコミュの艦隊移動を圧倒的に楽にする手段を持っているからだ。


「パナマ運河をフラコミュが使えなければ太平洋までフラコミュの艦隊は出て来れないし、上陸後にフラコミュ軍による再上陸を警戒する必要も無い。背中を気にしなくても良いわけだ」

「そうなりますし、太平洋まで出て来れないなら、輸送船団の被害を考えなくても良くなります。それに、太平洋側に存在するフラコミュ艦隊の逃げ場も失います。メキシコが日本側に立って参戦しそうなので、大コロンビアもフラコミュと敵対してくれると有り難いのですが……」

「ああ、メキシコと中米諸国連合は付き合いがあって、中米諸国連合とコロンビアもそれなりに仲は良いのか。フラコミュに対する不信感自体はあるはずだけど、フラコミュの艦隊を通すなと改まって言うのもなぁ」


常久さんは、フラコミュと敵対すると予想しているけど、日本がある程度の誠意を見せないとフラコミュ側に立って参戦する可能性も残っている。フラコミュがコロンビアを制圧しに宣戦布告を行う可能性もあるし、太平洋にフラコミュの艦隊が入って来ないとは言い切れない。


駆逐艦の建造ペースを早めて、駆逐艦の艦隊を量産するしか手段が無いのは辛いな。いや、駆逐艦と言うよりは巡洋艦という方が似合っている艦だったな。フラコミュの戦艦が大きいというのは聞いているし、オーレリーさんの乗っていた船より二回り以上は大きな船だとオーレリーさんから伝えられている。その大型な快速戦艦が、何隻あるのかという話だな。


……イギリス艦隊とフラコミュ艦隊の初戦は、ケルト海で起こった。フラコミュの艦隊がアメリカ大陸に行こうとすれば確実に通る海域で、アイルランドの真南だ。広域で複数の艦隊が激突し、夜間戦闘を挟んで、双方に十隻以上の被害が出ている。


この初戦でイギリス艦隊は偵察機も積んでいたという戦艦クイーンエリザベスが沈没しており、イギリス側は戦艦が2隻、巡洋艦が2隻、駆逐艦が14隻も沈んでいる。特に巡洋艦は被害を被った艦が多く、戦艦を14隻も投入したにしてはフランス艦隊の被害は少ない感じだ。明確には分かってないけど、フラコミュ側の沈んだ戦艦は1隻しか確認してない。フラコミュ艦隊の沈んだ駆逐艦の数は、不明だとも言っている。


フラコミュも、イギリスと同様に戦艦を30隻以上保有してそうだ。しかも今回の海戦の結果、イギリスは被害拡大を恐れて、海では消極的になるかもしれない。まだまだ渡航能力を失ったわけじゃないけど、イギリスが消極的になったらプロイセンは終わる。もう少し、プロイセンに送る軍団は増やすべきか。

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