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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第八章:外国との関係

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第200話 暗号機

9月2日。北海道から京都に戻り、アイスを食べて暑い日に耐えるという生活を送っていると、巨大な冷房用機器が献上された。元々あった、蒸気で稼働していた食材や水を冷やすための大きな冷凍機を、電気で動くようにしたとのこと。温度の調節は出来ないので、冷えすぎたら消すという作業が必要になるけど、非常に有り難い献上品だった。


コスパは最悪なので一般人にはまだ手出しが出来ない値段だけど、それでも技術が進歩するに連れて値段は下がるだろう。問題は、これを付けっ放しで寝たら凍死する危険性があることだ。俺は死なないけど、周囲の人間に影響が出る可能性はある。


改めて、エアコンの凄さを知った。温度を設定したら後は自動でその温度に調整してくれるし、風量や湿度も考慮してくれる。今は親衛隊の人が温度に合わせて付けたり消したりをしてくれているから快適だけど、将来的には温度の感知とスイッチのオンオフぐらいは自動で行いたい。


……騒音が五月蠅いから、部屋の隅に置いても夜は使い辛いな。電気代も凄そうだし、無闇に使うのは止めさせよう。扇風機とかも開発して、生活環境を上げる工夫もするか。幸い、扇風機ぐらいならすぐに完成しそうだし。むしろ、今まで無かったことが不思議なぐらいだ。大型の扇風機はあるそうだから、家庭用に小型化をして安全性の向上を行うだけだな。


水風呂が戦国時代では最大の夏対策だったから、そう考えると凄く進歩した気はする。戦国時代は夏でも暑い日は少なかったけど、逆に冬の寒さは色々とヤバかった。凍死が身近にある時代だったし、暖炉も万能じゃなかった。


新しい物は冷房だけでは無い。とうとう電話も遠距離間での実験で成功したため、完成したと言っても良い。電報が完成してから、僅か1年か。そう考えると今の日本の研究力と開発力は凄まじい力を持っているな。民族自決の精神が世界中で広まりそうだけど、技術力の伸びを考えると間に合いそうではある。そろそろ、先進国の仲間入りを果たすレベルまで成長したと言えるか。今の先進国がどれぐらいかも、把握出来て来たしな。共産主義圏以外に関しては、だけど。


俺がこの世界に来てから1年と6ヵ月という短い期間で、よくここまで進んだと思う。無線通信はメキシコから買い取る前に実験で成功したので、開発は今年度中には終わりそうだ。電話については、前回の電報の時と同じく堺にいる人間と軽いテストをした。


その結果、向こう側の声が普通に聞き取れたので、軍でも積極的に採用することにしよう。タイムラグは、全くと言って良いほど無かった。電報の際は遠距離であればあるほどタイムラグが発生していたけど、解消したみたいだ。


……電話に関してはロシアから教えて貰った方が早かった気がするけど、そもそもフランス人から色々と教わっていた部分もあるから、ロシアから買い取ってもそこまで変わらなかっただろう。軍での通信は無線技術が導入されれば無線通信も使うけど、有線でのやり取りも併用していく予定だ。


これは、無線よりも有線の方が情報伝達の際に傍聴され辛いからだな。有線だと敵軍に切断される恐れもあるけど、前線と後方とのやり取りや後方同士の情報のやり取りは有線を優先したい。軍の通信関係は、全体的に見直すよう言っておこう。


「通信線の破壊とかをされれば厄介だから一長一短ではあるのだけど、後方では無線だけに頼る必要は無いと思うよ」

「無線通信だと、敵から撹乱のための情報を受け取ってしまう可能性もありますからね。暗号技術の方はローマ字をずらす方法で行っていますが、中々難しいです」

「暗号を考えないといけないのは難しいな。暗号機はまだ理論体系が成り立っていないから、地道に考えていくしか無いか」

「そうですね。現在はフランス人、イギリス人達の暗号解読チームを欺くような暗号開発を行っています。しかしながら、暗号を生み出すより解読する方が楽なようで……」

「暗号を考えるのには1週間かかるのに、解読には3日もかからない、と。しばらくはこれを繰り返すしか無いな」


暗号については、外国人に暗号解読チームを作って貰って、それに日本軍の参謀達が考えた暗号を解読して貰っている。怜可さんによると今のところ、暗号を考えるよりも解く方が楽なようだけど、その内これは逆転するはずだ。


暗号開発、解読は数をこなしてパターンを多く見つけることが今考えられる1番の方法だから、この手法で問題は無いと考えている。暗号機は俺が構造をよく知らないし、今の日本の独力で開発出来るとは思えない。何か暗号機関連で円盤が3つある図は見かけた気がするけど、どういうシステムなのかちゃんと把握するべきだったな。


……暗号機はAと打ち込めば勝手にFと変換して、そのFもまた別の何かに変換していく感じだったか?無線通信では暗号を頼ることになるから開発は急かしていたけど、やっぱりいざ暗号を使用する段階になると問題も多発しそうで制度の確立が難しい。方言で話そうにも、方言自体が淘汰されていっているから微妙だな。


最大の暗号は日本語だとか考えていたけど、日本語は海外でも使える人が多いことを考えれば暗号化の研究は必須だ。通信関係の技術開発費は、ある程度を暗号機にも回すか。早々に暗号機が完成するとも思えないけど、将来的にはエニグマを開発して欲しい。

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