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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第八章:外国との関係

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第192話 台風一家

7月2日から7月7日までの間に、台風が連続して日本列島を縦断した。台風一過で晴天になるかと思ったら、再度台風が来た感じなので、京都でも川が氾濫しかけた。風はそこまで強く無かったので、関西圏の建築物で倒壊した建物は無かったとのこと。ただし雨は凄まじい勢いで降り続けた。


昨年は台風が少ない年だったので考慮してなかったが、今年は台風シーズンの序盤で大きな損害を受けたので、災害復興費がどれぐらいになるのか今から不安になる。九州や四国の方は、河川が氾濫してそれなりに被害が出たようだ。


日本本土は災害が多いけど、東南アジアの方も災害は多い。つい先日はインドネシアの方でまた地震が起きているし、とにかく本州で巨大地震が起こらないことを祈るばかりだ。……今までの地震や津波は予言出来ていたけど、これからは予言が出来ないので災害での死者数は増えていくことになる。これは豊森家の求心力が減る要因になるけど、どうしようもない。


「台風も予測が出来れば良いんだけどな。今回は沖縄の方からSOSが飛んで来たから、本土はある程度の準備が出来たけど」

「台風で準備が出来たのは久しぶりですよ。大抵は台風が上陸する方が早いので、準備も出来ません」

「……2個続けて四国に直撃したせいで、その準備も無駄になったけどな。土砂崩れでの被害も大きいし」


四国の方は浸水被害も多く、死者が出たほどだ。九州も鹿児島や宮崎で豪雨が降り続けたとのこと。これらの情報は愛華さんが言う通り、電報で京都まで伝えられたので、半日弱の準備期間が関西圏には存在した。あまり有意義に時間を使えたとは思えないが、迅速な避難指示を出したお陰で近畿の死者数は0人だ。


台風が近畿に直撃したのかは分からないし、京都まで接近した時には勢力が衰えていたのもあるだろうけど、京都では目立った被害は無かった。陸上では、電報を中心とした情報伝達システムの構築が既に出来上がりつつある。今後は電話でもやり取りできるそうだから、状況の把握はもっとスムーズに出来そうだな。


そして災害時に、便利だったのがインスタント麺だった。2月頃に指示を出し、3ヵ月前には販売を開始したインスタント麺は、日本全国に広がりを見せている。美味しいし、災害時の食事としてはぴったりだろう。これからは災害の発生に備えて、インスタント麺の備蓄を街単位で行わせるか。


「インスタント麺を使ったラーメンや焼きそばが、食べられないほど嫌いって言う人はいないよね?」

「そうですね。食べられないほど苦手と言う人は、ごく少数という印象です。問題は水の確保になりますが、水に関しては元から災害発生用に備蓄を行わせるようにしています」

「水は、1年周期で交換するように言ってあるのか。お米も水に浸しているだけで食べられるというものがあったはずだから、開発させておくよ」

「水を浸すだけで食べられるお米ですか。少し興味は湧きますね」


愛華さんに、水へ浸すだけで完成するようなお米の開発も行わせるように伝える。糒みたいに炊いた米を乾燥させるものだと認識しているけど、具体的な方法は分からない。熱風を浴びせれば良いのかな?とりあえず試行錯誤はするように指示を出した。上手くいけば、携帯食としての利用も視野に入る。


インスタント麺の話をしていたら、インスタントラーメンを食べたくなったので自分で調理してみた。まずは小麦粉にかん水と塩を入れ、混ぜて伸ばす。かん水に関しては俺の時代とは少し成分の割合が違うそうだけど、味の違いは分からなかった。出来上がった生地は製麺機に入れて、適当な長さに切ったら味付けをする。その後は鉄製で穴だらけの型に入れて油で揚げれば完成だ。


……結局インスタント麺は油で揚げるのが1番楽だという実験報告があったのでこの方法になったけど、油を大量に使うので健康に影響は出そうだし、価格には影響が出ている。意外と、インスタント麺の値段は高くなった。それでも買う人は多いし利便性は高いから、徐々に普及していくだろう。


わざわざ作ったインスタント麺をお湯で戻し、都合良く用意されていたフカヒレを入れて、フカヒレラーメンを作る。最近は鮫が増殖しているようで、よく献上される。何で鮫を献上するのだろうと思っていたら、過去に俺が鮫の献上で珍しく喜んでいた、みたいな記述が残っていたらしい。まあ、喜んでいたのは事実なので否定はしない。基本的に鮫肉は美味しいと思うし、フカヒレは好きだし。


「……鮫が増殖しているのは理由がありそうで怖いけど、養殖とかしているの?」

「鮫の養殖はしていませんね。鮫の増殖の要因としては、餌となる魚の養殖が原因だと考えられています」

「ああ、魚の養殖が……完全養殖じゃないの?」

「小さなサイズの魚は一定の大きさまで育ててから放流して回収していますね。それが原因で、鮫など大きな魚も増えているのだと考えられています」


養殖について愛華さんに聞いてみると、完全養殖と栽培養殖に分けられているそうだ。完全養殖は1から100までを人間が管理するのに対して、栽培養殖は一定まで育ててから放流して育てている。これが原因で大型の魚も増えてきているそうだけど、海全体に影響を及ぼすレベルで養殖をしているのかよ。


そう思って栽培養殖を行っている地域について教えて貰うと、日本各地で行われていた。インドネシアでもオーストラリアでもマレーシアでも、北海道でも九州でも朝鮮半島でも、海に放流しては回収を行っている。日本人口の食を支えている側面あるので、何処も力を入れているようだし、国も投資を継続している。その結果、広い海にまで影響を与え始めているようだ。


……そもそも、海の魚が年々減っているからという理由で養殖を始めたのだったか。栽培養殖のせいで海の魚が増えたのであれば、大型で力のある鮫が増えるのも納得は出来る。近い内に、養殖の現場にも行ってみようか。

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