表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第八章:外国との関係

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

207/425

第188話 チワワ州

6月に入り、大々的に行われるという結婚式が近づく中、メキシコとの国交が結ばれた。どうやら急造の外交官達は大きな仕事をしてくれたようだ。世界から孤立していた日本と、すぐに相互支援条約を結べただけでも相当なことだと思う。まだロシアとは日用品や資源などの売買条約と相互不可侵条約しか締結していないし、プロイセンもロシアと似たような状況だということを考えれば、一足跳びに国交が結ばれたという感じだ。


向こうに駐在していた交渉担当の人が帰って来たら盛大なパーティーをしようとか考えつつ、取り込まれていないかの確認は行わせるようにする。向こうも孤立主義を貫いていたから外交のノウハウは無いかもしれないが、日本以下ということは無いだろうからな。


外交官達より一足先に届いた、詳細な報告書と贈り物の内容を把握していく。どうやら、メキシコでは有名なある生き物が記念として日本に贈られたようだ。愛華さんから実際に見て下さいと言われたので案内されると、そこにはとても小さなの子犬の番いがいた。


「……チワワ、か。なるほどね」

「子犬の番いですね。小さい体躯が特徴で、チワワ州に多い犬のようです」

「可能なら増やそうか?ペットとして人気は出ると思うよ?」

「可愛らしいので人気は出ると思いますが、増やせるかどうかまでは分かりませんね」


チワワ州の犬だから、チワワだったのか。チワワ州と言われる度にずっと脳内に過ぎっていた犬のチワワの画像は、ある意味で正しかったということだな。まだ子犬なのでとても可愛らしい。というか愛華さんが抱いていると、チワワが凄く小さく見える。毛並みを触ってみると、見た目以上にもふもふしていた。脳内にあったチワワの画像とは若干違うが、それでも小さくて可愛い。


「犬や猫を飼うのは今の日本で一般的?」

「犬を飼う人は一定数存在しますね。子供の教育にも良いので、赤ちゃんが産まれるのと同時に子犬を飼う家もあります」

「……言ってしまってはアレだけど、ちょうど良い時期に身近な死を体験出来るしな。名前は決まってる?」

「いえ、まだ決まっていません」


愛華さんにペットが一般的なのか聞いてみると、犬は人気なようで飼う人もいるとのこと。ただしペットを飼うのには資格と一定以上の収入が必要で、ちゃんと手続きをしないといけない。資格とは言っても、性格診断テストのようなものだけど、合格率96%だから実施する意味はあるのだろう。4%の悲劇が回避できるなら、する価値はある。


名前は決まってないようなので、俺が決めてしまうか公募で決めるか悩む。チワワは特別珍しい生き物では無いというイメージがあるけど、今の日本だと一組だけの番いだから、公募で決めるか。候補は日本全国から集まりそうだし、7月に入ってから決めよう。


「ドッグフード……犬専用の餌とかは、開発されてないか」

「残飯を分け与えるのが一般的ですが、犬専用の食事ですか。その概念はありませんでしたね」

「俺自身、関心は無かったしな。昔は普通に残飯をあげていたし」


ついでにドッグフードの開発にも着手。小型の缶詰を作り始めたし、丁度良いタイミングにも思えた。犬にとっての栄養も考えて、長生きが出来る食事にしたいけど、あまりにも高価な食べ物にするつもりもない。当分の間は、過剰生産された穀物や安価な部位の肉を中心としたドッグフードになるだろう。


……犬は結構何でも食べるイメージがあるから、ある程度は雑に作ってしまっても良いと思う。ハムやソーセージとかを食べさせてはいけない、みたいなことは聞いた記憶があるけど、確か塩分が駄目だったはずだから塩分には気を付ける感じか。これも、新しく会社を立ち上げようかな。ドッグフードという概念が新しいなら、市場開拓をどれだけ出来るかが肝だ。


「犬は小さいほど長生きするって言うし、10年以上は普通に生きそうだな」

「ずっと小さいままなのですか?」

「うん。チワワは大人になってもかなり小さな犬だよ。あ、犬の種類とか分類してる?」

「していますが、色と体格での分類が主ですね」


犬の分類についても言及し、この小さな犬をチワワとすることを決める。たぶん、他の国や地域でもチワワと呼ぶはずだ。現在はフラコミュがメキシコを相手に攻勢をチワワ州で行なっているから、避難させる意味もあったのかもしれない。チワワを見ていると、庇護欲が湧いて来る。


病院に犬を入れて良いか聞いてみると、秀則様なら大丈夫との返答を頂いたので仁美さんにもチワワを見せに行く。病室の中に入ると、仁美さんが彩花さんのお腹を縄で縛っていた。


……わりときつめに、服の上からお腹だけ縛っていた。


「あ、あのですね、これは皮膚のたるみを無くすために」

「縄でやる必要はある?」

「……通気性は良いですよ?」

「仁美は庇わなくても良いから。どうせ「自分では上手く縛れないのでお願いできますか?」みたいな感じで彩花が迫って来たのでしょ?」

「何故分かったんですか!?」


彩花さんは出産から2ヵ月近く経ち、ダイエットを始めると公言している。そしてダイエットと共にお腹周りの皮膚のたるみを無くそうと色々と頑張っているのは知っていて、今日はそのために病院へ向かったはずだ。……縄で締め付けるのは危険な気がするけど、そのぐらいはしないと駄目なのかな?


本当はすぐにでもダイエットを始めたかったそうだけど、流石に身体に悪いので医者からも止められていた。産後すぐの急な運動やお腹の引き締めは、悪い予感しかしない。


結局彩花さんは妊娠前より7キロほど太ったので、ダイエットをしたいという気持ちは分かるけど、胸が元々大きかったのにワンサイズ以上大きくなっているから、余計な脂肪の半分ぐらいは胸に行ってそう。お腹周りも出産後は仕方のない面も多いし、あまり無茶はして欲しくない。


ちなみに2人とも、チワワを気に入ったようで抱いて離さなかった。抱き締めたくなる可愛さなのは俺も分かるし、飼いたくなるわな。メキシコは番いで渡してくれたし、大事に育てよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ