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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第七章:一つの民族

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第164話 インフラ

3月の初めに、今月の中旬から始まる予算会議で何か口出ししたい点は無いかと美雪さんが聞いて来た。今回は仁美さんも休み休みの参加になりそうなので、代役として美雪さんが珍しく参加予定だ。昔は美雪さんも今の仁美さんと同じポジションだったようだし、代役は務まるだろうけど意外だった。


そして俺は、美雪さんに対してインフラの整備をお願いした。アスファルトの道路についての実験は旧中国領の幾つかの都市で行われており、ロードローラーのような役割を果たす道具も試作した。……動力は人力だけど。


押し固める必要性は俺には分からないけど、きっと必要な行為のはず。現に押し固めた方が平らになりやすいし、自転車も走りやすいという報告が届いた。だから日本全国をアスファルトの道路で敷設する予定だけど、まずは日本の大動脈となる東海道からだな。国道第1号が日本で1番最初に敷設された道路だということぐらいは流石に知っている。


「……鉄道は、時期を見て少しずつ中国へ持って行こうか。現状、路線が多すぎるぐらいだし、山間部への移動手段は将来的にバスや車が中心になると思う。山間部の村が過疎になるとは思えないから、汽車でも良いのかもしれないけど」

「鉄道を減らし、アスファルトの道路を敷設するというインフラ整備の基本方針は理解出来ました。アスファルトの道路は人も自転車も走りやすいので、主要道路には間違いなく必須となるでしょう。カーブミラーや標識についてはどうしますか?」

「カーブミラーは全部の曲がり角に配備するぐらいで良いよ。十字路の場合は、対角線上に2つずつ配置すれば良いのかな?T字路はこんな感じで……」

「なるほど。T字路の場合は突き当たりの真正面に配置すれば、全方向から安全確認が可能ですね。鏡の大きさや高さに関しては試作品を作って検討します」

「標識は、必要に応じて作る予定だよ。とりあえず止まれや一時停止、最高速度の標識に関してはイメージ出来る。後で加藤さん使って一通り書こうかな」

「分かりました。標識は必要でしょうし、最高速度に関しては自動車の性能や人間の反応速度と相談しましょう」


カーブミラーも大量に作りたいけど、いざカーブミラーを配置するとしたら何処に配置したら良いか、分からなくなった。なので左側通行だということを加味して進行方向から見て右奥へと配置。知りたいのは基本的に左から来る乗り物や人だから、そこが見えれば大丈夫だろう。十字路を上から見れば、右上と左下に配置されるということだな。


……90度回転させると、左上と右下に配置されることになるので、道幅が広い通路を優先道路にするよう命じると、道幅は基本的に一緒だと言われた。仕方が無いので、道幅が同じ場合は東西を走る道路が優先道路とした。カーブミラーの配置で優先道路か否かも分かるから、これで良いだろう。優先道路じゃない方は運転を慎重にしろ、ということだな。


標識に関しては必要に応じて増やすことになるだろう。幸い、ある程度の標識は記憶に残っている。小熊注意の標識や落石注意の標識など、結構な種類が記憶に残っているから再現は難しくないはず。


おそらく、インフラの整備には多額の予算が必要だろう。押し固めるのも自走出来ないロードローラーだから人員や馬が大量に必要だし、アスファルトの生産にもお金は必要だ。しかし人員は過剰気味だから国有企業を設立して他から肉体労働が得意な人、肉体労働しか出来ない人を集めるのは簡単という。農作業と道路整備は、どちらが大変なのだろうか?


「あ、排水溝も設置しないと雨水が溜まるな。アスファルトの道路は完全に平らにしても駄目だったか。道路の下もしっかりと固めてからじゃないと、沈下が起こる」

「雨水が溜まるのは分かりますが、沈下ですか?」

「下の地面が軟弱だとアスファルトの道路はそこだけ沈んで雨水が溜まる、ということが起きるはず。アスファルトを実験的に敷設している地域が増えて来ているから、間も無くそういう現状も見られるはずだよ」


ふと、地盤沈下について思い出したので注意をさせておく。大規模な地震などで引き起こされる地盤沈下に関しては仕方が無いが、建物を建てただけで地盤沈下が引き起こされるのは問題だ。これから高層建築物を建てる際、地盤を固めるための方法についても、知っている限りは教えておこう。


「確かセメントやコンクリートを入れる……セメントの作り方が分からないな。水を入れたら石のように固まるものを土に混ぜる方法や、柱を地盤に埋める方法があったと思う」

「名称が違いますが、秀則様がコンクリートと呼ぶ素材の元になるものがセメントかと。それにしても、地盤の強化ですか。大掛かりな地盤強化は行ったことが無いので、試す価値はあると思います」


地盤改良については、無駄になる可能性も高い。何せ、一定の強度を保っていればそれで良いという思想とは真逆の思想だ。しかし美雪さんは、意外と防災意識も高い。旅行ついでに川の堤防の脆弱性を危惧して堤防の増設を命じたり、支流を作らせたぐらいだ。


コンクリートがあるならセメントはある、というのは気付きたかった。建物の壁にコンクリートをあまり使っていないのは、震災に弱いからか?それとも、値段が高いからかな?


木材の管理は、今の日本では凄く上手に行っている。近年は特に徹底的に管理しているらしく、森林関係の予算編成権を持つ恒一郎さんの功績は凄いという事を思い知った。あの人、ストックされている建築用の木材から植林を行った地域に関することまで全てを把握しているらしい。


……予算編成に関わる人達は超人らしいイメージが持てなかったけど、日本人口5億人のトップに君臨する8人だ。今の日本で優秀では無い人材が、上に立っているわけが無かった。

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