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はじまり
かつて魔の森と呼ばれ、俗に魔のものと呼ばれる魔獣や魔物の巣窟とかした森があった。だが決してそれら魔のものはその森から出てくることはなかった。
ある晩その森にいくつものの火の球が天から降り注いだ。そしてその火の中からとても強大な魔力を持った魔人が誕生した。魔人はその強大な力を使い魔の森の頂点に立ちいつしか国を作り上げるほどになった。その国は魔界と呼ばれた。
魔界が誕生してしばらく時が立った頃、魔界に一番近い国である事件が起こる。その事件をきっかけに人間の国と魔界の間で戦争が起こった。その戦争は日に日に激しさを増していきいくつもの村や町が滅んだ。だが一向に戦争の勢いは収まらず10年以上続くこととなる。
少年は歩みを進める。
薄暗くまがまがとした、それでいて絢爛な階段を。少年は一歩ずつ踏みしめ歩いて行く。
「やっと・・・。やっとここまできた。・・・これで願いが」