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プロローグ 世界から自分が消える時
あの日、僕は屋根の上に立っていた…
そこはすべてのものが小さく見える、自分を忘れさせてくれる、唯一の場所。
"これでいい…楽になるだけさ…"心残りはあった。二年前、◯◯が救ってくれたこと。二年間あの時のことだけが俺に生きる力を与えていた…
しかし、それも今日、潰えた。
すべてがどうでも良くなった。今すぐ消えたかった。自分のことを救ってくれるやつは一人もいない。この世界が心底嫌になった。これでいい。何度も言い聞かせて、両足を外した。近づく車。これで終わりだ…と目を閉じた瞬間、すべての世界が黒く染まり、記憶が消えた。