02 異世界と神。
次話まで少し間が開くかもしれません。
日本で一度死んだ早良孔明は見知らぬ場所で寝そべっていた。
「ここどこだ?て、てか髪が、え?髪伸びてる。しかも銀髪。かっけぇー!」
「いや、ちょっとまった、もしかしてほんとに異世界転生しちゃった?美少女になって?嘘だろマジかよ、神様仏様だな!」
「てか、なんで俺は家みたいなのの中にいるわけ?このパターンはお決まりのアレか。女の子の裸を見て『きゃーキモいしねー』のやつだなたぶん。」
「いや待てよ。俺も女子だから見てもいいのか?いや、だめだな。でもここは自分に正直にならないとだめか?その前に、状況整理だ。」
家と言ってもただの小屋みたいなもので中には何もなかった。
外はただの森。
たぶん神様かなんかがここに転生させたのだと思う。
「うん。よくわからん。」
そのとき、空から一筋の光が指した。
のだったが家の中にいた孔明はそのことを知らなかった。
そしてその中から一人の幼女が現れた。
「ようこそ異世界からの冒険者よ。わたしは水の女神アクエリアス。あなたをここに連れてきたものです。」
神々しく光っている女神は喋りだしたが、
「へ?なんで誰もいないんですの〜?」
女神は外で話しているのでもちろん家の中にいる孔明は聞こえていない。
「むむ、なるほどですの。焦らしプレイですのねわかりましたですの。かかってこいですの。」
やっと外の異変に気づいた孔明はどうどうと外に出ていってこう言い放った女神に。
「おぅおぅ!美少女に対してお決まりのナンパか?やるのか?やっちゃうのか?だがな俺はやられたらやり返す、倍返しだ!?」
「・・・なんですの?」
「お前だれ?なんで無駄に光ってるの?そんなことしちゃだめだよ。電気代の無駄だよ。いくら金があったって限りある資源なんだから大切に使わないと!」
「なんで神のわたしがあんたみたいなのに説教喰らわなきゃいけないんですの〜!?」
「光るのはしょうがないですの!電気代はかかってないですの!そもそもこの世界に電気はないですの〜!わかったかこのクソやろぉー!」
「え、神?おまえが?またまたー冗談言っちゃってー。お前みたいなまだ10歳にも満たしてないような幼女が神?それはふざけ過ぎだよお嬢ちゃん」
「このこのこのクソ野郎がぁぁ!!神のわたしをガキ呼ばわりだと?せっかく生き返らせたのに身の程をしれぇー!!たかが引きニート童貞コミ障ヤローがぁー!!」
「なんだと!この幼女が!俺はな引きニート童貞は認めるが断じてコミ障ではない!勝手に属性一つ増やすなまな板やろうが!」
「まな、いた。うぅ。そ、そ、それは気にしてるんだから大声で言うんじゃなーい!あと幼女でもないわボケー!こう見えてあんたより2000歳は年上ですぅー!」
「2000歳、だと。」
「そうだ!驚いたか?驚いただろ!幼女ではないんだよ。ざまぁー!」
「2000歳って……おまえ……ぶふぅ!ババァじゃねーかおまえ!ごめんごめん幼女じゃなかったおばあさんだった!ぶふぅ!あははは!うけるわ!」
「ふにゃぁ。もういいですのなんでも。それより説明させてほしいですの。」
「ん?あぁ頼む。」
「わたしはアクエリアス、水の女神ですの。あなたをこの世界に連れてきた本人ですの。」
「なぁ。あれは無事だったか?あの飛んでったアレ。無事だといんだけどな。」
「あぁ、あれですの。無事だったですの。そもそも、あなたが飛んでいかなくても無事だったですの。無駄死にしたですのあなたは。」
「そうか。良かった、じゃないよな?無駄死にした?俺がか?」
「そうですの。あのままにしとけば地面に落ちて表面に傷がつくくらいでオールオッケーだったですの。」
「おい待て。今とても自分が恥ずかしんだが俺の顔赤いか?」
「真っ赤ですの。りんご病にでもかかったですの?」
「いや、うん。ということは、俺はゲームを守るために死地に行ったけどもともと何も起こらなくて俺が勝手に死にに行っただけってことなのかな?」
「そういうことですの。ドントマインドですの。」
「うん、まぁいいやそこは。あ、どうぞ話の続きをお願いします。自称神さま」
「あなたは転生してここに来た、戻ることはできないですの。あなたはここで生きていくですの。冒険者としてですの。」
「ほん。なるほど。まぁ、定番だわな。んで、この姿はなんなんだ?」
「『美少女になりたい』って言ってたからそうしたですの。あ、ちなみに男にもできるですの今すぐ。どうしますの?」
「このままだったら女湯に入れるのか?」
「入れるですの。よゆーのよっちゃんですの。」
「よしなるほど。このままでいい!てか、これがいい!!」
「そうですの。じゃあ頑張るですのー。」
「おい待て、少なくないか?もっと説明してもらわなきゃ困るんだが。」
「忙しいですのこう見えて。まぁいいですの。この世界のお金の単位は『リアス』ですの。あと、冒険者にはGからSまでのランクがあるですの。ちなみにあなたは力をうまく使えばSランク冒険者の数倍になる設定にしといたですの。うまく使えればの話ですの」
「それ以外は自分で考えろですの。」
「へいへい。わかりました。」
こうして早良孔明二度目の人生が始まった。
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