第4話「食料問題」
『料理、0件』
まじか。
その情報に少しずつ、
覚醒していく。
この数値を見るに、恐らく相当数のプレイヤーが巻き込まれているのでは、と考えることが出来た。
もちろん野菜なども同様に消えている。意外な事に、調味料まで。
肥料ー…
食料が無いなら、不味くないか?
その考えが頭をよぎり、急いで肥料であるモンスターのフンと動物のふんを探す。
あった。
まだ食料問題に気がついたプレイヤーは少数のようで出品数は200件以上。
モンスターのフンと動物のふんを99×3購入した。
これで当面の間は肥料に困らなさそうである。
…喉乾いた。
バザーを見ても水系統のアイテムは見当たらなかった。
仕方なく隣にある素材屋さんで水を買う。30個買った所で売り切れだ、と言われた。
ゲームだった頃と違い、仕入れる必要があったらしい。野菜なども同様だった。一体どこで栽培して販売しているのか、ノイムには検討もつかなかった。
バサバサバサバサ
「にゃっ⁈にゃー‼︎デジャヴー‼︎」
緑色のコウモリブタが3匹ほどノイムを取り囲む。
落ち着こうとした彼女が目にしたのはチームのサブリーダー、セラの名前の書かれた札であった。
「もしもしノイムさん!無事⁈」
「はい!住宅村にいるのだ!セラさんはどうなってるのだ?!」
「トージの町には行っちゃ駄目よ!今、大変なことになってるの‼︎っごめん、切るわね!」
コウモリブタはどこかへ行ってしまったようだ。
他のドラキーを見るとマイクの兄、ソウルの名前が書かれていたのだ。
「にいさま‼︎にいさま‼︎」