第38話「暴力的な美しさ」
はるなんちゅがオッケーをしてくれた事で皆のテンションが上がりに上がる。
「はるなんちゅさんが来るってよ!早くコイツらの身ぐるみ剥ごうぜ!」
「うそうそうそー!中の人の顔気になる!」
「というかあのドワ子、どういうツテ持ってるんだよ!」
あぁ、ゲーム時代と被るこの光景……。
外野が騒がしいのだ。
「じゃあ、すぐ迎えに行くのだ!セラさんは確かトージの住宅村がお家だったか?」
「うん、マーメイド地区。転移石使って?」
「ありがとうセラさん!にいさま!船をマーメイド地区に移動させて欲しいのだ!」
「あはっ、人使いが荒いなぁノイムさんは。その行動力には脱帽!任せといて!」
「にゃ!ありがたや!行ってくるのだ!」
たわしは早速転移石でチームアジトであるはるなんちゅの家に向かう。
ホログラムに支配された視界が鮮明になり、チームアジトに着いた事がわかる。
想定外の場所に畑を作っていたかざむがたわしに気がつく。
「姉ちゃん!良かったぁ!」
「んにゃ、ただいまなのだ!」
土まみれの弟をぎゅーっと抱きしめた。
「ノイムちゃん、グッドタイミングよぅ!」
はるなんちゅもタクトさんも土まみれだ。
「ナイス労働力」
タクトさんはぐったりと地面に突っ伏してアイルビーバックをしてた。
はるなんちゅはそんなタクトさんの背中に座っていた。
打ち解け過ぎィ!
はるなんちゅに転移石を渡してセラさんの家に転移する。
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「んー、南国って感じねん!」
マーメイド地区はまるでビーチのような雰囲気をもつ住宅村だ。
海風が気持ちいいカラッとした気候で、多くのヤシの木に白い砂浜、青い海が広がっている。
各地に点在する一軒家を建てられるくらいの大きさの小島に家は建てられており、トージの町へ往き来するには小島同士を繋ぐ桟橋を渡って本土の砂浜に移動。
本土側にある船着場で船を使うことでトージに行ける。
麗らかな日差しの中、船着場でにいさまを待つ。
「うーん、とてものどかなのだ
……ごめん、はるなんちゅ」
「あんもう、気にしないの!そのうちこうなる予感はしてたわよぅ、労働力が欲しかったし丁度よかったわん!」
はるなんちゅの言葉に疑問を覚える。
「にゃ?畑って、畑のメニュー開いて種まき選んで楽チンジョウロ使うだけじゃないのか?労働力?」
「かざむちゃんが一から耕し始めたのよ、庭の外の土掘り返してねん」
「土作りからとは恐れ入った……」
さすがだぞ弟よ……。
「ノイムさーん!」
「おー!早かったなにいさ、……うぉぉ?」
小舟の進むスピードが尋常じゃないと思ったら魚人のプレイヤーがにいさま含めた4人で全力水泳。
転移してから五分も経ってないぞ……?!
「さぁ早く!乗ってください!はるなんちゅさん!」
「んんん、予想以上に見目麗しいっ……」
反応は様々だった。
早速乗り込んで出発する。
「平和を取り戻す為!レッツゴーなのだー!」
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「はるなんちゅよぅ、やるだけやってみるわん!」
「「「うぉぉぉおおおおおお!!」」」
戦犯達はパンツ一丁で再び埋められているようだ。
「オカマに魅了されるとか屈辱の極みだぁぁあ!」
「はなせぇ!放してくれぇ!」
「やめろ!くるなぁぁぁあ!!」
「貴方達に彼女らが味わった苦しみを味わってもらうわん!
……心底反省出来るように恋愛対象が変わっちゃうくらい、調教してあげるわねん!
《スポットライト》!《おいろけアップ》!!」
色欲魔達が絶望感に満ちた顔に染まる。
今まであった威勢はどこへ行ったのだろうか。
はるなんちゅはピンク色の孔雀羽が生えた魅力値補正付きの扇子を両腕に装備して振り回し、舞を踊りながら器用に戦犯の周囲を練り歩く。
スペシャルバージョンで気合いが入っているのがわかった。
次々とガチホモ野郎に変わっていく部下達を尻目に最後まで抗っていた格闘家のオーガ男ですらも最終的には、
「俺は絶対に屈しない!やれるもんならやってみろ!俺はお前の奴隷になりますぅぅんほぉおおお!!!」
と即堕ち2コマになっていた。
心配せずもと良かったんじゃないかはるなんちゅさんや……。
こうして、トージの町における事件は幕を閉じる。
はるなんちゅは得た労働者20人を使って畑を量産していく事だろう。




