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第34話「オーガライダー、ネチバ仮面」




む、なんか一人だけバッタみたいなオーガがいるな。



戦っているのは魚人型モンスター……じゃないな、ハンマー持ってるし。


プレイヤー同士で戦ってるのか?








…というかあの魚人マーマンはにいさまじゃないか!

助けなきゃ!



なんか、なんか、いい方法はないか。


義賊のたわしでも出来るような、素人でも出来るような事!


盗む事はどうだ。


何を?


視界を。


手持ちには?


木でできたパンツがある。


ステータスは?!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

木の貞操帯 ランクC

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

製作者の手でしか解除出来ない貞操帯。

かなり荒削り。

対象に合わせて大きさが変化する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これだ!




クモノで足が入るであろう穴を塞ぐ。


今こそ、たわしの隠密とジャンプ力が試される時!



今行くぞ、にいさま!








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








「あぁ、逃げてる理由わかったぜ糞虫!」


まぁバレるだろうな。


「安心しろ!お前ぶっ潰してから彼奴ら殺してやるよ!」



オーガ男は隙の出来る既存のスキルを使って攻撃してこない。


スキルとスキルの合間を突いて距離を稼ぎたかったがそうはいかないようだ。


「おら、どうした、手も足も出ないかァ!?」


ここまでジリジリと後退して来たが、背後には民家の壁がある。左右に逃げようとしてもオーガ男の素早さには敵わないだろう。


万事休すだ。



拳が振り下ろされる。



それと同時に目の前のオーガ男へ何かが多い被さった。


「んだコレェ!!」


「大人しく被るのだ!!」



奇妙なモンスターが木のヘルメットらしき物をオーガ男に叩きつけている。


「何しやがったァッ」


その生き物を捕まえようとオーガ男が試みているが、ちょこまかとその手をかわされているので捕まらない。


バランス良く肩車状態になりながらも、手を上下に振り下ろす様はまるで。




「気分は、ラッコだよねぇーッ!」




謎の何かは楽しそうにそう言った。




ガンガンと叩きつけて被らせようとしているようだが、オーガの頭角が邪魔して中々入らない。


あ、角折れた。




ズポッっと良い音がしてオーガの頭にヘルメットが収まる。



「そこのマーマンよ!ネチバ仮面を手伝いたまえ!クモノクモノォ!」



ひょいひょいと手をかわす謎の生き物の名前はネチバ仮面というらしい。


クモノを使っている事から義賊だという事が判明する。


ネチバ仮面は格闘家の視界を覆うヘルメットを使って助太刀してくれたようだ。


「助けてくれて、ありがとうございます!」


ネチバ仮面を狙う悪の手先を止める為、スキルを発動する。


「《デビルクラッシュ》!!」


格闘家が油断して動けない今がチャンスだ。

発動が遅くなっても問題ないスキルを使う。


《デビルクラッシュ》は相手に防御力低下を付与するハンマースキルだ。


スカラベキングと対峙した場面で使っていたが、一直線に向かってくるモンスターと違ってプレイヤーは避けてくるし、既存のスキルの動きを強制される為隙も大きい。



対人では使い所がない大技だったのだ。




紫色の閃光と魔方陣を展開させながら相手の胴体にハンマーを振るう。


僅かに見えるオーガの口から血が飛び出る。


「アギャァァア!!!」




クリーンヒット。


痛みで転げ回るオーガ男からネチバ仮面が離れる。



巻き添えにならなくなった所で怒涛の乱舞スタートだ。


「《捨て身》《ドラムクラッシュ》!」


《ドラムクラッシュ》は敵を楽器であるドラムに見立てて強烈な連打を繰り出すハンマースキルだ。


《捨て身》で強化された連撃をお見舞いする。


「ゲェッ、ア゛ッ」



バキボキと骨が砕ける音が聞こえてくるが気にしない。



この世界の回復魔法はこれくらいすぐ治せる威力はあるのだから。



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