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第29話「救出劇」




何故か一撃目を避けられた。


その隙に乱れた衣類を装備し直される。



天井や壁に潜んでいた相手プレイヤー達が出て来た。


一筋縄ではいかないようだ。





親玉らしきオーガが吠える。




「どうやって来たのかはわからねぇが、戦いのド素人に負けるつもりは、ない!」



武器も持たずに拳を振り上げ突っ込んで来る。




ソウルは攻撃を受けないようハンマーを防御に使う。








それと同時に足払いでバランスが崩れた。



「……っ?!」


「バトルソルジャー1匹目」


その瞬間凄まじい衝撃が死角から訪れる。


HPが半分以上持ってかれ、痛みで表情が歪む。


「ッ……ァ……!」


「案外しぶといバトソルだなぁ」



ソウルはゲーム時代、一撃で沈まないように防具やアクセサリーはHPと防御力をアップさせるもので固めていた。



だが通常攻撃でここまで食らうとは想定外だ。


二撃目が来る前に離脱する。


何かのスキルを使っているのか。



「チッ、大人しく死んどけ!」


起き上がる所で蹴りが飛んでくる。


地面を蹴って空中で回避。



と同時に拳が腹にめり込む。


キックより体重が乗っていないのかあまり減らなかったが、今あるHPはあと一撃受けられるかどうかも怪しい。



「動くんじゃねぇ紙魚シミ!」




拳が再び繰り出される。


「動かなきゃ死ぬのに、動かない馬鹿が、いるか!」


拳や足を避けつつ間合いを取る。



「(一撃が強い……!)」



スキルを発動してもいないのにこの攻撃力。


こちらの攻撃はあらかた躱され、向こうは無傷。


一対一じゃ負ける。




味方は天井や壁に隠れていたプレイヤーの急襲を受けて混乱中。



負ければ、折角作った船も持ってかれる。



そして命も危うい。








(ーーにいさま、命大事にな!)








「誰でもいい!船を町に!徹底!魚人マーマン殿しんがりを!」








ソウルは強敵を見つめながら指示を出す。



命あっての物種だ。


プレイヤー達の間を縫ってオーガの拳を躱す。




「距離が開いたら泳いで逃げて船!」





味方の最後尾にいた相手プレイヤーをハンマーで殴り飛ばす。


ソウルにリベヒールが飛んで来る。


HPが脈打つ波動により10秒で50ずつ回復していく。


「生かして返すな!殺せ!」


オーガの指示により敵の猛攻が激しくなった。


ジリジリと後退という名の前進を行う。


パラディンが豊富な防御力とHPで《仁王立ち》を行う。


僧侶はパラディンの後ろで全体回復魔法で周囲の味方の回復、義賊はクモノや《スピードチャージ》で支援。


バトソルは全力で攻撃する。


向こうもそれは同じだが、数は多いので面倒である。





激しい攻防をし始めた直後。



俺たちを殺そうとする奴が痺れを切らした。



「ちんたらやってんじゃねぇぞ雑魚共!《武人の波動》!」


鬼に金棒。そのスキルは格闘家の専用スキルだった。《武人の波動》はHPを10秒で50回復出来る。



リベヒールと効果は同じだ。


「どさくさに紛れて、女がぁ、逃げちまったじゃねぇか、よ!」


防御を捨ててひたすら殴って来る。


拳のスキルにスキルポイントを振っているのか、下手に武器を持つよりよっぽど強い。



こちらも防御を捨てて殴ってみるが、回復魔法と《武人の波動》によってラチがあかない。


それは向こうも同じだ。


防御力に振って良かったと思った。


ハンマーを振り回して攻撃するも、やはり致命的なものだけは避けてくる。


焦りを感じる。



「捕まえたぁ!」


「しまっ……」


ハンマーを持った腕を捕まれ、そのまま。


背負い投げをされた。


激しい脳震盪が視界をごちゃまぜにさせる。


HPは満タンだったのが四分の一になっていた。


「リアル技能に勝てる訳ねぇだろ!」


そのまま拳での突きが来る。



ハンマーを振って足を攻撃した。



油断していたのか上手く行ったようで、体制を崩させる事に成功する。


「撤退!クモノを放て!」


起き上がりながら駆け出す。

まだフラフラだ。


狭い洞窟内を塞ぐ形でクモノを多重展開。







鎧をアイテムボックスに突っ込みながら走り出す。




クモノに阻まれる犯罪者達の声を後ろにして、海へ飛び込んだ。



もう船は来た海路の四分の一の所まで移動していた。


回復出来なかったお陰で海水が傷口に沁みる。



マーマンの水泳能力で船に追いついた。


そのまま全員でブーストをかける。


フレンドからグレーテルさんに通話を飛ばす。


「グレーテルさん、遅れてすみません。町に一旦戻りましょう」


「わかりました。今回の事件じゃ無いですけど、収穫もありました。戻ったら報告します」


「こちらもです、では」



トージの町の明かりがつき始めた。


夜の帳が夕暮れを侵略し始める。

月明かりのない曇った空はソウル達の未来への選択を見守っていた。


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