第11話「大変な時こそ笑顔で」
フッと空気が切り替わり、湿原独特の湿った空気が流れ込む。
「あと少しでコクホウ大陸ね」
「あっちは何もないといいんだがなぁ」
「(色々あり過ぎて自己紹介忘れてたのだ)」
食べ終わり、蓋を閉めながら他の人が食べ終わるのを待つ。
「「ごちそうさまでした!」」
皆が弁当を食べ終わると同時に思っていた事をたわしは口にする。
「たわし自己紹介してなかったのだ。
改めましてノイムですのだ!メインは義賊なのだ!」
「私達もまだだったわね。
私はセシィよ、メインは格闘家をしてるのd……
えっと、してるわ」
「俺はワード!メインは魔法使い!君と同じドワーフさ!よろしくなの……あれ?」
「はーい!皆大好きエルフのヒメカツですのだ!メインはダンサー!」
「タクトなの……
……タクトだ。メインはバトルソルジャーをやっている。短い間だがよろしくな」
「にゃ!自己紹介ありがとうございますのだ!」
ヒメカツさんが話しかけてくる。
「さっきから気になってたんだけど、その口調は?」
「これはたわしがたわしである為に必要な口調なのだ!ゲームだった頃からの名残ー!」
「つまりギャグキャラプレイって事なのだな」
「ヒメカツさんメタいのだ!夢の国にマジレスしてるみたいな感じー!」
「ヒメカツー、口調が移ってるぞー?」
ヒメカツさんがハッと何かに気がついた様子でワードさんを見つめる。
「ワードもなんか語尾……上がってるよ?」
「え?マジ?」
二人で顔を見合わせる。
「にゃ?」
何故こちらを見るのだ。
「どういうメカニズムで感染してるのだ」
「タクトにまで感染してるじゃないの……」
ぷるぷる、たわし悪いたわしじゃないぞ。
「長時間一緒にいたら感染するとか?」
タクトさんがそう言いながら、たわしの身体を舐め回すように見つめる。
「ぅゆ、ピェェッ……!」
その実験体のモルモットを見る目をやめるのだ!
「タクトったらダメでしょう、怯えてるじゃないの、ねぇ?」
セシィさんがたわしを撫で撫でしてくれる。
「マッマ……」
バブみを感じた。
「お客さーん、そろそろコクホウ大陸の中都市ボーフゥですぜぇ」
御者から声がかかる。
「あぁ、ついちゃうのか。残念」
「……もっと謎を解明したかったな」
「もう少しノイムさんとお話してたかった……」
「名残惜しいわ……、フレンド良いかしら?」
「あっ、ずるいセシィ!ヒメカツも!」
「貴重な女の子成分逃してたまるか!俺達も乗り込むぞタクト!」
「本音出てるぞワード……。でも登録すれば今いる場所がわかる、か」
「セシィマッマ……」
セシィマッマの影に隠れる。
「とりあえずタクトの研究癖付きのお口は塞いじゃいましょうねぇ」
「うわなにをすくぁwせdrftgyふじこlp」
「あにゃぅ、とにかく、皆にそう思ってもらえて、たわしはうれしーのだ!
タクトさんは今後背後に気をつけるのだな!」
「タクトがナチュラルに命狙われてて笑う」
ワードさんが馬車の隅でプルプル震えている。
流石に冗談だぞ!
その場にいるメンバーにフレンドを送った。
「「これからよろしく!」」
なんてったって皆が笑顔になる事が、たわしの存在理由だからな!
皆の笑顔が見れてたわしはうれしーのだ!
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中都市ボーフゥの町並が見えてきた。
木材で作られた建造物が目立つ。
日本家屋とログハウスを合体させたかのようなお屋敷が立ち並ぶ。
そして一際目立つ大きな建物。
中都市ボーフゥ名物の大風車塔だ。
ボーフゥの町に良い運気の風を運ぶとされている。
ゲームだった頃と違うのは、その大風車塔が止まってしまっている事だけだ。
「なんか、気味が悪いね……」
ヒメカツさんはエルフだ。
自分の種族の大陸であるボーフゥの大風車塔が動いている所を、
他の皆より沢山見てきたのだろう。
尚更ショックを受けた顔をしていた。
また、何か悪いことが起きるんじゃ。
そう思わずにはいられないほど不気味な光景
であった。
「……皆、
笑顔を忘れちゃダメなのだ!
笑う門には福来たる!
たわし達の大爆笑で無理矢理運気を運んでやろうぜ!
にゃーっはっはっはっは!」
「ノイムさん…
よーし、ヒメカツも負けないよー!
こんな時だからこそ皆のアイドルとして、行動を起こさないきゃ!」
「おっしゃー!やってやるぜー!」
怖い雰囲気を崩壊させる。
これもギャグキャラには大事なお勤めなのだ。




