蜂蜜の優しさ
先程から、繰返しごめんなさいと呟いている。
放っておけば、窓の外に降る雪のようにさらさらと消えてしまいそうだった。
「どうしたのか……俺に、教えてくれないか」
「……ごめんなさい……っ……私は……私は……」
「……一旦……落ち着け、」
これでも飲め、と、私は彼を落ち着かせる為に、先程作ったホットミルクを飲ませた。
彼の好きな、蜂蜜をたっぷり入れた甘いミルクだ。
太宰は、カップを両手で包み、それをゆっくりと飲み干していった。
「……」
「……旨いか、」
「……うん……美味しい」
まるで小さな子供をあやすように、優しく抱き締めて背を撫でる。
「……あまり、溜め込みすぎるな……辛いときは、泣いていいんだ」
「駄目、……っう」
「……大丈夫」
「……うぁっ……ああああっ、あぁぁぁ……」
恋のお話ではないですよね?