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死にたがりと葬送  作者: Bくん
8/13


それから軽く身支度を済ませ、二人揃って家を出た。

入り組んだ住宅街を抜け、市道に架かる橋を渡れば、目的の場所へは徒歩数分で着く。


「暑っ」



梅雨明けの近い空は気持ちよく晴れていて、太陽はもうすぐ真上。

照りつける日差しに早くも心が折れそうになった。


軽く羽織ってきた日除けのパーカーが邪魔になってくるほど湿度も気温も高い。


それなのに、斜め前を歩くハルはどこか涼しげだ。


しかも、白いシャツにジーンズという簡単な服装の癖に、弟の贔屓目に見ても格好良い。


凛とした佇まいも、年齢の割りに落ち着いた性格も、密かに俺の憧れだったりするのだけど、本人はきっと気付いていないんだろう。



俺も、もうちょっと背が伸びてあんな風になれたら。


そう思わずには、いられない。


「千里」



背筋の真っ直ぐ伸びた後ろ姿を眺めていれば、ハルが突然振り返った。


「……どうかした?」



まさか。

食い入るように見つめていたのがバレたのか。


一瞬、訳もなく焦ったけれど、そうではなかった。

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