表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
骨とぼっちなVRMMO  作者: 空回りする歯車的な人
4/33

骨2体目

執務室の窓から夕日を眺めて現実逃避をしていたら腹が減ってきた。

領地はあっても食物が無い!1階の調理場に走って行き保存食が無いか探してみた。


「無い・・・薪は有るのに食える物が無い、虫に食われて粉になった米しかない」


考えろ俺!すぐに食料が必要だ、ゲーム内で餓死とかしゃれにならん。

稲は収穫してもすぐに食えそうに無い、乾燥が必要かどうかはわからないが籾殻外すのも時間が掛かる。

雑草の茂ってた畑に何か無いか探してみよう。

骨に収穫を手伝わせようと思い回りを見渡してみる・・・骨がいない、使えない奴め。

骨のステータス表示はあるから消えては無いようだ、暗くなったら収穫出来るか怪しい、一番近い畑に全力疾走する俺。


食べられそうに無い雑草を力任せに引っこ抜いては投げ捨てる。周辺がうっすらと暗くなってきた頃にサツマイモの蔓っぽいものを見つけた。放置されて硬くなった畑の表面を剣の鞘で掘削し蔓を引っ張り芋を収穫。握りこぶし位の大きさのサツマイモ?が3つ手に入った。


「今晩はこれで良いか・・・」

食料を手に入れた俺は意気揚々と神殿に戻った。


神殿に入ると祭壇に向かって骨が祈り?を捧げていた。

魔法生命体が謎だ、人間くさい行動を取りやがる。

骨に近付くと身長140cm程の小柄な骸骨が横たわっている、暗くて気付かなかった。骨はこれを取りに行ってたのか?

骨がじっとこちらを見つめている・・・

気付かない振りして祭壇に向けて祈るポーズをとってみる。

骨の顔が近い・・・弱々しく「カカカ」と歯を鳴らす骨。


魔法生命体召喚スキルを使えということか?しかし、2体目を召喚したら1体目の骨が消えました。では困る、明らかにこの小さい骸骨より武装した骨の方が役に立つだろう。

とか考えてたら、骨が小さい骸骨を指差し「カカカ・・・」とさっきより更に弱々しく歯を鳴らす。


腹が減っていた俺は根負けして、骸骨を眺めて鑑定した後スキルを発動する事にした。

厨二的呪文詠唱の直後、貧血を起こした時のようにクラクラしたかと思ったら、視界がブラックアウトしバタリと倒れた。


~~~ 1日目終了 ~~~


日の光が差し込む礼拝堂(祭壇前)で目を覚ました俺。


魔法生命体に名前を付けますか? yes/no


のウィンドが開いている・・・周りを見ると小柄な骸骨がじっとこっちを見ている。

どうやらスキルを使った直後に気絶したらしい、MP切れか?


寝起きであれこれ考えるのは苦手なので、yesを押して「小骨こぼね」と入力した。

グゥ~~~と腹が空腹を訴えている。

名前を付けた途端に小骨が床に落ちている芋を指差し小さく首を傾げる。


「あぁ、頼む」


寝起きモードのまま適当に声を掛けてしまった。小骨は芋を抱えて食堂のほうへ移動している、貴重な食料が無くなると困るので小骨の後を追跡する俺。


小骨は調理場に入ると芋をかまどの薪投入口の中にそっと置いた後、芋の周りに薪を組んでいった。

焼き芋にするらしい、どうやって火を着けるのか観察しようと思っていたら小骨のMPがちょっと減って既に火が着いていた・・・魔法かよ!


とにかく後は焼きあがるのを待つだけなので、かまどの前に座り込み燃える薪を見つめながら今日の予定を考える。

骨と小骨のウィンドがあるので骨は消えなかった様だ、骨には稲刈りを夕方までさせ小骨は貯水タンクと神殿の掃除をさせて俺は神殿に引き込んでいる水の水源地確認の後に芋を掘ろう!疲れたら戻ってきて書庫の本を暗くなるまで読もうそれで1日終了だ。

小骨が灰掻きで芋を取り出し渡してくる。熱い!芋を食いながら小骨に作業指示を出し、食べ終わったら扉の前にいた骨に稲刈りしとけ~と声を掛け、川に水を飲みに行った。


予定通りに2日目は終了した。水源地は崖の上にでかい貯水池(かなりの湧水量がある)みたいなのが有ってあふれる分は滝になって川に合流していた。芋はかなりの量収穫できた(薪の中から地面を掘れそうな棒を持っていって作業したら収穫スキルも取得した)、住宅地側は芋畑だったらしい。

小骨に焼いてもらった芋を食べた後すぐに寝てしまった為、書庫の本は読まなかった。

骨は錆びた鎌を何処からともなく持ち出して、収穫した稲を束ねて柵に引っ掛け乾燥させる作業を黙々と行っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ