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骨とぼっちなVRMMO  作者: 空回りする歯車的な人
33/33

運営キャンペーン告知

 今週も社畜生活から開放されて惰眠をむさぼっていた俺は昼過ぎに目を覚まし、PCを立ち上げる。

 RPG公式サイトを開くとトップページに「次回、騎獣化キャンペーン!詳しくはこちらへ」というリンクがでかでかと貼ってあった。


「お、運営の初イベントか・・・どれどれ」


 寝ぼけたままリンクをクリックすると、俺がトカゲちゃんの背中に乗って空を飛んでいるスクリーンショットが・・・

「ぶほっ!」

 むせ返って涙目になった俺は、画面をスクロールし説明分を読んでいった。

 要するに、今回のPVも俺だったがその中に非公開にしていた「テイマー以外もモンスターを騎獣に出来る」システムの映像を入れない訳には行かず、この際だからキャンペーンにしちゃいました。

 的な事が書いてあった。

 テキトーだな運営め!おれはPV見ないぞ、と思いつつ最後まで読むと「手法の解説はPV内でGMが解説してるから見てね!」とか書いてあった。


 結局見ることになったPVだが、自分のプレイを凝縮して見せ付けられるとなんと言うか恥ずかしい。

 トカゲちゃんとの詳しいやり取りは伏せられている物の、GMパペット(人の腕まで映ってるぞ?もうちょっと何とかしろよ)がモンスターとの友好度やら上位のモンスターの場合はそれぞれ特殊な条件がある等の解説をしていた。

 竜種の場合は名前を付ける事が条件だったようだが、その辺はうやむやにされていた。

 その後、鬼達を襲撃する所で「騎乗突撃」スキルの解説が行われていた。

 スキルについては公式HPには全く乗っていないのに珍しい、騎乗中ある程度以上の移動スピードのまま攻撃すると「騎乗しているモンスターの基礎攻撃力×PCの攻撃補正値」(詳細非公開)がダメージになる様だ。

 矢印で俺を指して「片手剣スキルの熟練度不足で騎乗突撃スキル取得失敗」とか書かれててやるせない気持ちになった。

 どうやら空を飛んで隠しフィールドを見つけた仕返しらしい。

 世界各地に同じように強力なモンスターが潜むマップが旅人を待っている!空を飛ぶとか勘弁してください※(フィールド開発担当者談)とテロップが流れた。

 泣き言をPVに混ぜるなと突っ込んでみた。

 最終的に、鎧相手に片手剣スキルを黙々と上げる俺の戦闘がGMパペットの解説付きで放映されて30分が終了した。


「あれか、鎧を駆除しないと南の町の人たちが暴動を起こすから駆除方法を開示したんだな」

 攻撃モーションとか命中判定のある距離はこの位とか詳細に説明されていた。

 これで、鎧の駆除も進むだろう。

 出入り口は封鎖されているから心置きなく騎獣を探せという事か。

 掲示板は見るのが怖いのでPCの電源を落として撮り貯めた深夜番組を見て土曜日を消化した。


 翌日、いつもの通り早めにゲーセンにやってきた俺は、今週も2週間の休日を堪能するぜ~と呟きながらログインするのだった。


 とりあえず村の様子を散策しながら眺めていると、突然衝撃が俺を襲い獣人が耕していた畑の畝に顔面から突き刺さった。

 何が起こったのかさっぱり理解できないが、後ろを振り返ると女神化した小骨が腰に手を当てて仁王立ちしていた。


「ちょ・・・この駄女神様は突然何をするのか?!」

「お前がしっかりしないから私の信徒が悪魔なんぞと契約してしまったではないか!おかげで他の神から小馬鹿にされて!キィ~ちょっと信徒が多いからって上から目線で偉そうに!・・・(以下ry)」


 ログインして1時間も経たない内になにやら事件が起こったらしく、ヒステリーを起こす駄女神様を地べたに胡坐をかいてぼんやり眺める。

 その周りには神の怒りが恐ろしいのか、耳がぺターンとなって尻尾を丸めている獣人達が平伏していたりするが気にせず駄女神に声を掛ける。


「で?誰が悪魔に魂売ったんだ、ノヴァか?」


 先週ダンジョン探しに出たあいつらが悪魔に追い掛け回されたと掲示板でぼやいていたし、騎獣化キャンペーン中だからあの中の誰かだろうと思った訳だがどうやら当たったらしい。


「何故知ってて止めない無いの?馬鹿なの?」

「いや・・・何か事情があったんだろう?戦力も増えて丁度いいじゃないか」

「ドラゴンとか悪魔とか率いて世界を征服しちゃうの?神罰を下して欲しいの?」

「え~?田舎でスローライフが夢なんだけど・・・」

「・・・とにかく何か起きたら私の所為になるんだから、しっかり悪魔を監視するように!」


 女神はその言葉を最後に天界?に戻ったのか、骨の姿に戻った小骨が地面に座り込んでいる俺やプルプル震えながら平伏する獣人を見て慌てたように右へ左へと小刻みに移動して最終的に俺の横に体育座りした。


 どうやら今週も一波乱有りそうだ。

 他の町でもイベント進行が有りそうだから目立たないといいなぁと考えながらノヴァ達の住まいの方へと移動を開始した。

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