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骨とぼっちなVRMMO  作者: 空回りする歯車的な人
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ゴブリン再び

 翌日、鬼に塩ラーメンと一緒に居た冒険者が使っていた両手剣(片手で扱えるらしい)と盾を持たせ、トカゲちゃんの所へ向かう。


「トカゲちゃん狩りに行こうぜ!」


「べーだ!」


 人型になったトカゲちゃんにあっかんべーされた。


「ちょっとは反省したらどうなのさ?」


「えぇ!?俺の鬼量産計画が村を出る前に幻に・・・」


「昨日死にそうになった人が何言ってるの!ボクは当分連れて行ってあげないからね!」


 トカゲちゃんの機嫌はまだ直っていないようだ。

 鬼に強化魔法を掛けて、飛び道具持ちの近くに投下する作戦で戦力強化を狙っていたんだけど当分無理そうだ。


「そっか・・・残念」


 しょんぼりしながら鬼を連れて神殿の方に戻る俺。


「ぁ・・・」


 トカゲちゃんが何か言おうとして止めた様だ。

 狩りに行けないなら他の事をしようと村を眺めたけどすることが無い。

 しばらく考えた結果、剣と槍のスキル上げにチャレンジしようと考えた俺は、小骨のアイテム部屋に転がっている装備品の中から金属製の胸当てと篭手取り出し装備し、皮袋に金貨を詰め込んで短めの片手槍を持ってエイミーさんの作業場に立ち寄る。


「ちょっと町まで行ってくるけど何か必要な物ある?」


 黙々と板材を生産していたエイミーさんがピタリと停止し


「私も行く、鉄鉱石とか他の素材とかも欲しいの有るから」


「じゃあ行きますか」


 2人並んで転移門に向かって歩き出すと、小骨と鬼が後ろを付いてきていたので


「小骨と鬼は留守番な、人間の町には連れて行けないから」


 と言うと、鬼は神殿の前に立ち小骨はこちらをチラチラ見ながら神殿に入っていった。


 転移門は毎日魔力を補充しているが、まだ万全とは言い難いので入る前に今日の分の魔力補充を行ってからサウスフォートへ転移した。

 万一に備え、通行料二千G(2人分)をポケットにしまい、残りの金は皮袋ごとエイミーさんに放り投げる。


「夕方にここで待ち合わせでいいかな?」


「私は親方の所に挨拶した後、素材を買いに行くね。所で何するの?」


「槍スキルを取りたいからゴブリンさん達と遊ぼうかと思ってね」


「そっか、気をつけてね」


「じゃあまた後で」


 俺はエイミーさんと別れ町の外の草原を鼻歌交じりに散策する。

 獲物はすぐに見つかった、と言うか3匹のゴブリンがご機嫌で歩く俺を発見し襲い掛かってきた。

 即座に槍で突いて一匹倒すと、槍スキルを取得した。


「一撃か~やっぱLVがだいぶ上がってるんだろうな」


 独り言を呟きながら、こん棒を盾で防ぎもう一匹のショートソードを胸当てで受けたら金属鎧スキルを取得した。

 鎧系スキル有ったんだ・・・今までは有効な防御が出来て無かったって事か?

 考え事しながらでも残りの二匹を余裕で倒し、周辺の観察をする。

 周りには人もゴブリンも居ないので3体の魔法生命体を召喚、今日はお遊びも兼ねているので、「ゴブ夫・ゴブ太・ゴブ助」と名前を付けた。

 3体を引き連れて草原を散策すると川沿いで、見たこと無い鎧っぽいモンスターと1対1で戦っている人間を発見した。

 ゴブ3体は匍匐前進状態にし、戦闘を観察しようと近付いていったがどうやら人間の方が苦戦している様子だ。

 加勢しようか悩んでいる間に人間が倒されてしまった。


「こんな初心者マップで1対1で倒されるとか・・・」


 周りに人が居ない事を確認し、念のため単体強化をゴブ夫に掛け3体を鎧っぽいモンスターへと突撃させる。

 3体1ならいけるでしょ、と思いながら突撃していくゴブ骨を眺めていたら敵の間合いに入った瞬間に木っ端微塵にされるゴブ夫。


「?!ゴブ夫~」


 鎧っぽいモンスターがモルゲンステルン(トゲトゲの付いた鉄球が先端に付いたメイスみたいなやつ)を振り回すとゴブ太とゴブ助が一つになった後、バラバラに砕け散りながら吹っ飛んで行った。


「こりゃいかん、やけに強いぞ?逃げるとしよう」


 こっちに向かって歩き出したモンスターを見て町と反対方向へダッシュする俺。

 この先の森で身を隠してタゲを切ってから町に戻る事にした。

 戦ってもいいけど、未知の敵に一人で戦うのは気が進まない。

 万一死んだら召喚している骨達がどうなるか分からないし・・・うん、決してトゲトゲにビビッタわけでは無いはず。


 ゴブ骨を使って川の中を上流に向かって歩かせて村にたどり着くか実験したかったのに。

 あんな奴がうろついてたら危なくてスキル上げもできないし、実験開始前にゴブ骨が壊されるとか最悪だ。


「仕方ない、他の狩場を探すか・・・」


 あちこち狩場を探したが、他の場所にも鎧の奴が居るか、冒険者達が集まっていてとても狩りが出来る状態ではなかった。

 離れた場所まで行けばいいのだろうが日帰りの予定なので遠くに行けない。


「クソ!とんだ無駄足だ。町でエイミーさんの買出しの手伝いでもするか」


鎧の奴は昨日突然現れ暴れまわってるらしいと言う情報しか無かった。

こうして、でっかいリュック3個分の素材を持って村に帰る事になった。




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