表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
骨とぼっちなVRMMO  作者: 空回りする歯車的な人
3/33

廃村散策

骨は立ち上がった俺の肩から手をどかし、「カカ、カカカカカ」と歯を鳴らした。

俺は気を取り直し「骨」と命名した魔法生命体を観察した。

剣を地面に置き、盾を持った鎧骸骨の骨、焦げてるし所々から砂が落ちて小汚い感じがする。


「骨、取り合えず砂まみれなのを何とかしろ」


どこまで命令できるか分からないし、知能が有るのかも不明な為ダメ元で命令してみる。

すると骨は地面に置いていた剣を手に取り、砂をこぼしながら村の中央方向へ歩き出した。


15分くらい歩くと幅10メーター程で流れが緩やかな川があった、石橋が掛けられており表面は傷んでいる様だが崩れる事は無さそうなしっかりした作りの橋だった。

骨は橋の横を通り川岸に近付き、でかい岩の上に剣と盾を大事そうにそっと置いた後川に飛び込んだ。


?!、俺は橋の上から川の中を覗き込んだ、透明度が高く底まで見える川の中に茶色い筋が発生している。

骨が完全に水没していて見た感じ3m位の深さか、川底に足を着き剣の鞘を水中でブンブン振っている骨。次第に茶色い筋が細くなり砂が無くなった頃に鎧の隙間から丸っこい黒い塊(虫?)が流れていった、どうやら骨の鎧の中は奴の巣になっていたみたいだ。

骨は川から上がると剣と盾を交互に川で洗い、「カッカッ!」と歯を鳴らした。骨から水滴が飛び散ると同時に視界の左端の方に骨用ウィンドが開き、赤いバーと青いバーが表示される。青いバーが1割ほど減少している所を見ると、どうやら魔法を使って水滴を飛ばして体を乾かしたらしい・・・骨の癖にハイスペックだな・・・

橋の上に居た俺の所に戻ってきた骨を見ると、砂と一緒に焦げて使えなさそうだった鎧の皮部分も全て無くなっていた、鉄の篭手とか靴とかどうやって固定しているのか理解できないが普通に動けるようなので突っ込まないことにした、骨がむき出しの部分が増えてスケルトン度が上がっているが気にしない。


骨のステータス画面を選択してみる。


反撃:ON

敵対者攻撃:ON

月影の剣

???

月影の盾


鎧はまだ鑑定出来ない、スキル熟練度が足りないらしいがスキル名以外表示されない素敵仕様の為確認しようが無い。他のプレイヤーが居れば検証も出来るかもしれないがまだ誰とも会っていない。


骨のステータスとか気になる事はたくさん有るが、色々表示されない仕様のゲームらしいので取り合えず村の探索を進めよう、川の向う岸に石造りの2階建ての建物があり、見た感じ壊れて無さそうなので調べてみる事にした。


砦の様な建物はどうやら月影の女神の神殿らしい。鉄製の大きな両開きの扉は俺と骨の剣と盾に施されている月影の女神のシンボルマークが彫られている。

重たい扉を開け中に入ると祭壇と5人座れる長椅子が10個2列に並べられていた、祭壇の左右に扉が有り中にまだ部屋がある様だ。

左の扉の奥は調理場と食堂、簡易宿泊所の様なベットが1つ置いてある小さな部屋が4つと共同水洗トイレがあった。

右の扉は空けると階段だった、2階は書庫と執務室?(でかい机と口字型に配置された細長い机4台と椅子が8脚置いてあった)とでかい寝室(薪釜式風呂&水洗トイレ付)があった。階段をそのまま上がると屋上に一枚岩をくり貫いた貯水タンクが有り、神殿の裏の崖から生えている石造りの水路から給水していてあふれた水は配水管(石造り)を伝って川に放流されている、ちなみに貯水タンクには藻が生えていた。

屋上から村を見渡すと川の向こう側一帯は稲が群生していて、こちら側は畑の跡らしき雑草?が生い茂った場所が点在し10軒の家が全焼、5件が燃えていないが崩れて使えない状態で放置されている。崖を背に村全体を半円形の柵で囲っている様だ。


2階の執務室に戻り椅子に座りでかい机の引き出しを物色していると、


「プレイヤーホームを取得しますか?」yes/no


と表示が出たので迷わずyesを押した。


「国家未所属地の為、領地を設定できます。設定しますか?」yes/no


取り合えずyesを押す。


「柵・城壁等で囲われている内側が領地として設定されました。領主スキルにより税を課す事が出来ます」


「領主スキルを取得しました」


ワールドメッセージ:『プレイヤー「フェイ」が領地を取得しました』


・・・ゲーム開始3時間で廃村の領主になった、そして世界チャットで晒された。

ほとぼりが冷めるまで他のプレイヤーに見つかりません様に・・・夕日を眺めがなら現実逃避する俺がいた(涙)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ