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骨とぼっちなVRMMO  作者: 空回りする歯車的な人
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龍といえばお約束的な

 冒険者達を集め、ノヴァ達のキャンプ地前まで連れて来た。

 周囲を俺達7人と骨&1,狼の魔法生命体12体ついでにトカゲが囲んでいる為、冒険者達はすくみ上がっている。


「さて、こんな大集団で何しに来たのか聞かせてもらえるかな?」


 俺の問い掛けに冒険者達は顔を見合わせるだけで答えようとしない。

 最初に助けた6人組だけがヒソヒソと小声で話をしていたので、


「そこの奴、話す気が有るなら聞こえる様に話せ!」


 俺が一寸きつめに問い詰めると、軽装の男が立ち上がった。


「どうも俺は塩ラーメン、プレイヤーです」


「へぇ、この際PCもNPCも関係無いんだけど話す気になった?」


「俺達は太陽神神殿からの依頼でこの村への威力偵察に来ました。ぶっちゃけると村を殲滅すれば1人1万Gの報酬の依頼です」


 塩ラーメン氏が依頼内容を話した途端に冒険者達が「何してんだ殺されるだろうが!」とか「勝手に話すな!」とか騒ぎ出した。

 正直、困った事になった。

 彼らは所謂「捕虜」だ。

 どう扱えばいいかさっぱり分からない。

 困惑してどうするか考えていると塩ラーメン氏が話を続けた。


「俺達6人は身代金を支払う用意が有るので、交渉に応じてもらいたい」


 めんどくさい事を言い出した。

 恐らくメンバーの誰か、と言うか助けた時に守ってたつり目の女性が貴族か何かなのだろう。


「ダメだ、お前らだけ特別扱いはしない。もう座って良いぞ」


 塩ラーメン氏のパーティーメンバー5人は物凄い目でこっちを睨んでいるが、他の冒険者は彼らに今にも襲い掛かりそうな感じだ。


「ノヴァちょっと」


 俺はノヴァと少し離れた所でこれどうするよ?と相談することにした。


「正直面倒くさいから当初の予定通り全員帰そうと思うんだが、そのまま帰すのもあれなんで武装解除させて戻すでどうよ?」


「この村の事がNPCにも知れ渡るし攻撃も続くかも知れんが、それでも良ければ良いんじゃないか?次は無いぞと脅しとけば冒険者は来なくなるだろう」


「脅すのは任せる。知ってる奴もいるんだろ?」


「ああ、駆け出しの冒険者共だな」


 話がまとまった所で、冒険者達の所に戻り緊張した様子でこちらを見る冒険者に告げた。


「全員武装解除してもらおう!防具も所持品も全て渡してもらう。服は着ててもいい」


 冒険者達は諦めた様子で装備を外しおとなしく指示に従う。


「武装解除が終わった奴から順にあっちへ進め」と転移門の方へ誘導する明星の人達


 俺は自分の転移魔石を取り出し転移門を起動させる。

 先頭の冒険者が転移門を見て「いやだ!死にたくない。何でもするから助けてくれ!」と俺にすがり付いてきた。

 たぶん転移先が100%デスポイント(火山の火口上空とか上級魔獣の巣の中とか)のテレポートPKの類だと思っているのだろう。

 実際にはサウスフォートの転移門に出るのだが、説明するのも面倒だし自業自得な部分が多いので黙って蹴りを入れて門の中へと送り込んだ。


「「!!!」」


 その光景を見ていた冒険者は一斉に逃げ出そうとするが骨達が逃げ道を封鎖している。

 冒険者を捕まえては門に放り込む作業を黙々とこなし、最後に残った塩ラーメン氏のパーティーに顎で進めと合図する。


「大丈夫、死ぬような所には繋がってない筈です」と塩ラーメン氏がお姉ちゃんを励ますが、真っ青な顔で首を横に振っているお姉ちゃん。


「サッサと行け」


 俺の言葉に6人は固まって門をくぐって行った。

 一息ついて門を見ると、こつこつ魔力を充填していたのにまた魔力枯渇状態に戻っていた。


「さて、あいつらの装備品を神殿に運ぶとしますか」


 転移魔石を懐に戻しながら振り返る。


「テレポートPKって有るんだな。行き先分からない時はテレポートしない様にしないと」

「気の毒に、転送された先が大混乱になってるだろうな」


 と話しながら装備品を集める作業をしていると、山の方からでっかいドラゴンが接近してくるのに気付いた。

 トカゲと違って西洋風のドラゴンだ。

 トカゲも大きくなるとあんな感じになってしまうのだろうか。


「あれ?なんかやばい感じじゃね?」


 まっしぐらにこっちに向かってくるドラゴンは大変ご立腹な様子に見える。


「よし!みんな逃げよう」


 その場に居た全員に逃げるように言って俺も後を追おうとしたら、トカゲが俺の頭を咥えて逃走を阻止した。


「え?これ、俺オワタ?」


 すっかり諦めモードに移行した俺は、トカゲと一緒にドラゴンに掴れて大空へと舞い上がっていった。


「お!獣人達がバラバラに逃げる様子が良く見えるな!」←現実逃避


「骨達が慌てふためいてウロウロしてるな!」←現実逃避


「なあトカゲちゃん、俺達どうなるんだ?」頭突きされた。


 俺達を掴んだドラゴンは加速しながら山の方へと向かって行く、巣に戻るんだろうか?

 踊り食いよろしく、おいしく頂かれる俺を想像してちょっとニマニマしているうちに山頂付近にある洞窟に着陸した。

 思ったより近いのか、ドラゴンの上昇速度が速いのか15分位しか飛行していない。


「ちょっと、お母さん。この人間は僕の物なんだからね!」


「卵も生めない子供が生意気な事言うんじゃありません!」


「フフン!もう名前も貰ったから子供じゃありませんよ~だ」


「ちょ・・・人間!お前なんて事を!」


 目の錯覚だろうか?美人のおねーさんとボクっ娘がなにやら俺の事で言い争いをしているらしい。

 ボクっ子の方にはブルーメタリックの尻尾が生えてるからトカゲか?

 ドラゴンの人化はお約束といえばまあそうだろうが・・・受け答えを間違うとマルカジリコースだろう。


「え~と、名前付けたらダメだった?」


「ダメ「いい」に決まってる「よ」」


「・・・同時に正反対の事言われても」


「と・に・か・く!契約したんだからこれからよろしくね」


「今ここで食い殺して無かった事にしてやろうかしら」


「マルカジリは勘弁してください」


「フフ、どちらかが死ぬまでは僕の背中は君だけのものだよ、フェイ♪」


「うん?よろしく?でいいのかな」


「仕方の無い子ね、森より向こうに行っちゃダメよ。困った事が有ったらすぐに戻ってくるのよ。人間、お前はしっかり私の娘の面倒を見る事!わかった?」


おねーさん(母龍?)が笑顔をこっちに向けたが目が全然笑ってない。

正直怖い、ここは引き下がろう。そうしよう。


「はい!わかりました」


 ワールドメッセージ:『プレイヤー「フェイ」が龍種:夜刀神との契約に成功し、ダンジョン「南の大連峰」が開放されました』


「ってなんでやねん!」


「何か不満でも?」


「いえ、何でもありませんです。はい」


思わずワールドメッセージに突っ込みを入れたらおねーさんの額に血管が浮き出ていた。

マジ怖い、もう帰りたい。


「フェイ、村に帰ろう」

と言うトカゲについて洞窟を出ると、トカゲの姿に戻ったトカゲが背に乗れ的な感じのアピールをしていた。

極力おねーさんを見ない様にしながら首の付根に跨り、村へ向かって滑空していった。※落ちない様に必死でしがみ付いてただけとも言う

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