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骨とぼっちなVRMMO  作者: 空回りする歯車的な人
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森の魔獣がチラリと登場

 大慌てで墜落したトカゲの元に駆け寄り、回復スキルを使う俺。

 トカゲは目を回してぐったりしている。


「バイソ~ン!手伝って~」


 森の外に出そうとして持ち上げようとしたらすごく重い、リアルでやったら腰がやられる事間違い無しだ。

 そもそも持ち上がりさえしなかったのでバイソンを呼んで運んでもらった。

 開けた場所にトカゲをそっと降ろし、怪我が無いか再度確認してみるがよく分からないのでもう一度回復スキルを使っておく。

 トカゲが目を覚まさないのをいい事に、羽の付根とかすべすべ鱗とかを撫で回して楽しんでいると、トカゲが目を覚まし俺の頭をガップリ甘噛みしてきたのであごの下辺りをナデナデしてやった。


「!」

「食われた~」

「言わんこっちゃ無い」

「逃げよう」

「どこに逃げるんだ!」

「死にたくない!助けてくれ~」


 なにやら不穏な発言が聞こえてきたがスルーしてみる。

 エイミーさんからは俺がナデナデしているのが見えているのか何の反応も無いようだ。

 トカゲに顔を舐め回され、涎でベトベトになってる。

 涎はほっとけば消えちゃうからいいんだけど、頭を咥えて持ち上げるのは勘弁して欲しい。


「クゥ~~」


 トカゲが愛らしい声を上げると同時に俺はドサリと落下し尻餅をついた。

 トカゲを見上げてニヤリと笑うと、みぞおちに頭突きをしてきた。

 荒っぽいスキンシップだなぁと考えながら頭を撫で回していると、森の中から爆発音が聞こえてきた。


「お、何か連れて来たっぽい」


「あれじゃない?あいつ等を魔法でふっ飛ばしてた、魔獣?」


「下僕強化、バイソン準備して」


 エイミーさんと話しながらバイソンに強化スキルを使って戦闘態勢に移る。


「そこの人達、もっと村側に移動して!」エイミーさんが後方へ移動しながら6人に声を掛ける


「トカゲちゃんも少し下がろうか?」


 トカゲに声を掛けたら頭突きされた。名前が気に入らなかったんだろうか?

 グダグダな感じで森に目をやるとケモナーが「早くしろ!こっちだ」と怒鳴りながら出てきた。

 俺の後ろに控えるトカゲを見て一瞬固まるケモナー、俺が普通に立ってるので気にしない事にしたのか再度「早く!」と急かしている。

 森の中から転がるように50人近い冒険者が飛び出してくる。


「ヒィ!でかいスケルトンが!」とか

「ドラゴンまで居る、もうだめだ」とか

 言いながら森から出てすぐの所にへたり込む冒険者達に


「おい!そこ邪魔だよもっと移動しろ」


 と声を掛ける俺。

 這うように冒険者達が移動する中、ノヴァ達がこちらに背を向けて森から出てきた。

 盾持ちが最後尾の様だが警戒したまま徐々に下がってくる。


「何を釣ってきたんだ?」

 と言う俺の問い掛けに、「尻尾が蛇の羽が生えた狼?」とノヴァが答えた。


「え~と、マルコシアス?だっけか、悪魔じゃん」


「知ってんの?」


「詳しくはログアウト後に検索でもしてくれ、キーワードはソロモンの72柱な」


 情報交換していると件の悪魔が姿を現した。その瞬間にトカゲが


「GYUAAAA!」とさっきの可愛い声とはかけ離れた威圧的な咆哮を放つ


 ゾッとするような悪寒が全身を襲ったが、何とか悪魔から目を逸らす事無く戦闘態勢を維持する。



 魔法耐性スキルを取得しました

 状態異常耐性スキルを取得しました



 何かスキルを取得した。これはあれですか?竜の咆哮とか言うやつですか?

 悪魔が目を細めてこちらを値踏みするように眺めた後、身を翻して森の中へと消えていった。


 俺と明星メンバーはしばらく戦闘体制を維持したが、危険は無さそうと判断して後ろの様子を見ると見事に全員(エイミーさん含む)気絶していた。


「取り合えず全員起こして村に戻ろうか」


「フェイさん、この人数でここまで来たって事はたぶん村を狙ってるぞ?冒険者ギルドで見たこと有る奴が結構混じってるし」


「フム、何しに来たかは知らんけど獣人達とは接触させない方がいいかなぁ~」


「村にも入れない方が良いんじゃないか?」


「転移門からサウスの町にお帰り願うとするか、森に放り込んだら全滅しそうだし」


「あの門使えるのか、じゃあその方向で動くとしますか」


「バイソン、先に戻って橋を封鎖しろ。俺達は気絶してるやつ等を起こそう」


 話がまとまったと思ったのかトカゲが俺を後ろから押しつぶして来る。

 重い、そして頭を咥えて持ち上げないで欲しい。


「さっきから気になってたんだけど、そのドラゴン?は何なんだ?」

 とノヴァが聞いてくるので、トカゲの鼻をペチペチ叩いて降ろしてもらう。


「お前らが森に入った後に山の方から飛んできたから友達になったのさ、トカゲちゃんだ」また頭突き食らった。


「・・・テイムスキル持ってたのか?」


「え?持ってないよ?取得条件も知らないし」


「獣人といいドラゴンといい何でも有りだな、むしろテイムしないから友好関係が築けるのか?」


「テイムってどうやってやるんだ?」


「瀕死になるまでボコッた後に、命令に従わせるとスキルが取れるらしい。基本的に人語が理解できる相手じゃないと命令に従わないから、獣人相手にスキルを取って後はスキルを使って隷属させるらしい。が・・・試したこと無いな」


「何そのクズスキル、いやMMO的には標準仕様か?」


 そんな話をしつつ、トカゲの押し倒しを回避しながら気絶している奴を起こして回った。

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