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骨とぼっちなVRMMO  作者: 空回りする歯車的な人
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爬虫類スキー発覚

 エイミーさんが建ててた獣人の家が完成したと連絡を受け、巨大蓑虫(熊が造った仮設住宅)の隣に目をやる。


「・・・途中までまっすぐだった壁が歪んでるね」


「低品質だけどたぶん半年位は壊れないはず、次の建築予定は一家族用の小さめの家だから普通の品質はいけると思う」


「そっか、第一号完成を祝って宴会でもしますか!狼肉も大量に有るし」


「憧れのキャンプファイヤーだね!」


 その日の夜、蓑虫を解体した廃材を利用して盛大なキャンプファイヤーが催された。

 獣人達とはしゃぐエイミーさんやら暗闇に消えていくケモナーやらを眺めつつ胡坐をかいて座っていたら、子狐がちゃっかり俺の膝の上に陣取り俺の狼肉を略奪していた。

 小骨が仕込みをした肉を獣人達が次々に焼いていき、狼肉のストックが全て無くなった後に解散となった。

 ばらされて骨になっていた狼5体を魔法生命体に変化させ、すっかり俺の部屋となっている神殿1Fの簡易宿泊部屋に戻るとベットに子狐が気持ちよさそうに寝ていたのでそっと扉を閉め隣の部屋で寝る事にした。


 翌朝、部屋から出ると小骨と子狐がじゃれあっているのを横目に食堂であまってた物を適当につまんで外に出た。

 隣のエイミーさんの作業場に行くと、設計書を片手に在庫のチェックをしているエイミーさんに声を掛けられた。


「木材の伐採に行くからバイソン貸して、後はあいつらにやらせるから」とノヴァ達を指差すエイミーさん


「じゃあ俺も一緒に行こうかな」



 伐採を開始して3日目、今日も斧で木を叩く軽快な音が森に響いていた。

 そろそろ一休憩しようかと話をしていると森の中から微かに悲鳴が聞こえてきた。


「今、悲鳴聞こえた?」


「たぶん。様子見てこようか?」とノヴァ


「じゃあ俺とノヴァと後2人で行こう、他の人とバイソンはエイミーさんの護衛よろしく」


 4人で声のした方へ移動していくと、思ったよりも早く声の主を発見した。

 狼が神官風の男を咥えて森の奥のほうへ移動していくのを見つけ、後を追っていくと1人を庇う様に5人が円陣を組み3匹の狼と戦っていた。

 ノヴァと盾持ちが一瞬視線を交わし、盾持ちが「フォー!」と叫ぶ。


「よし!釣れた。お前ら終わるまでそこに居ろ」とノヴァが6人に声を掛ける。


 盾持ちに飛び掛ってくる狼の内2匹をノヴァと両手剣の人が1匹ずつ攻撃し1対1で相手をし、盾持ちと俺が残りの1匹を引き受けた。

 狼の群れは大部分を村での戦闘で失っていたらしく、神官風の男を咥えて森の奥に逃げていったやつ以外姿が見えない。


 あっという間に3匹の狼を切り伏せ、ノヴァが6人に声を掛ける。


「大丈夫か?て言うか、そんな装備でこの森に入ったらダメだろ。よく生きてここまでこれたな」


「おい、取り合えず森の外に出よう」


 姿は見えないが森で狼に囲まれると厄介なので、怪我してる5人に回復スキルを使用して移動を促した。

 森の外に出てエイミーさんと合流した俺達は、6人に他に一緒に森に入った人が居ないか確認しようとしたが皆黙り込んで俯くばかりで話にならない。


「神官風のやつが1人やられてたよな?ちょっと他に居ないか軽く見てくるよ」とノヴァが明星メンバーを全員連れて再度森の中に入っていった。


 ノヴァ達が森に入って1時間位たった頃、山の方から何かが飛んでくるのが目に入った。

 鳥にしては大きいし、何か細長い。じっくり観察しているとエイミーさんと6人組みも気付いたようだ。


「何あれ?鳥?」とエイミーさん


「トカゲktkr。ヒャッハー!こっちこないかな」


 飛んでいるのをじっくり見ていた俺は、エイミーさんがドン引きする様なテンションで声を上げた。

 それは日本トカゲに蝙蝠っぽい羽を付けてそのまま大きくした様な感じの生物だった。

 メタリックブルーの綺麗な尻尾に太陽の光が反射して虹色に光って見える。


「あのトカゲ幼体かな?可愛い!ぜひ欲しい」


 おかしなテンションのままの俺に、黙り込んでいた6人の1人(10代後半から20代前半位のちょっとつり目な女性)が慌てたように声を掛けて来た。


「ちょっと!あれドラゴンじゃない。小さくても人間の勝てる相手じゃないわ!母親が近くに居たらどうするのよ!早く逃げなきゃ」


「え~?あんな可愛い生物から逃げるとか無いわ~」


「ええ?」


 こっちに向かってくるトカゲ(ドラゴン?)を見つめながら、わかってねぇな~見たいな感じで回答する俺。


「フェイさん爬虫類スキーな人だったの?、もふもふに余り興味を示さないからおかしいとは思ってたけど・・・」


「もふもふも嫌いじゃないけど、くりくり目玉に虹色尻尾だよ?しかもトカゲは意外と人に馴れるんだよ?」


とか言ってる間にトカゲがこっちに向かって降下を始めた。

威嚇のつもりかだいぶ手前を炎のブレスで焼き払い頭上すれすれを飛行するトカゲ。


「あぁ!高度を取れ~木にぶつかるぞ~」


と言う俺の悲鳴と、木と木の間をすり抜けようとして羽が枝に引っかかりトカゲが墜落したのはほぼ同時だった。

え?爬虫類スキーなんて居ない?

いえ、意外と多いと信じたいですby作者

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