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骨とぼっちなVRMMO  作者: 空回りする歯車的な人
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小骨観察

 エイミーさんが来てから小骨の距離感が何かおかしい。

 今までは指示しない限り調理場にいた様だったが、料理中と掃除中以外は俺の後ろを付いて来る様になった。

 何だろう?これはあれだ、いまや絶滅してしまったと思われている大和撫子的3歩後ろを付いてくる伝統的日本美人の感じ?


 そういえば、小骨の性別も知らないままエイミーさんと俺の嫁ネタで盛り上がったっけ、骨格で男女の識別が出来るのは頭蓋骨と骨盤だっけか?


 頭蓋骨はわからん。骨盤は・・・と小骨を観察していたら、


「とう!」と言う掛け声と共にエイミーさんのドロップキックをくらって吹っ飛ぶ俺。


「一体何が・・・」状況が良くわからずエイミーさんの方に視線を向けながら立ち上がると、何やらモジモジしている小骨を抱き寄せるエイミーさんの図がそこにあった。


「私の小骨ちゃんにエロイ視線を向けないで!」

「いやいや!エロく無いから、学術的な観察だから、そして小骨は俺のだから!」

「女の子の腰をジロジロ眺め回す学術的観察なんて存在しない!」


 小骨がめっちゃ頷いてる。女の子だったらしい。


「骨盤の違いを観察してたんだよ」


 ズビシッと音が鳴りそうな勢いでエイミーさんにチョップされた。

 エイミーさんは小骨に聞こえないようにか、声を小さく落とし


「女の子って気付いてなかったの?」と問うてきた。

「いやぁ、恥ずかしながら。俺の中で子供枠に編入されてたんだよ」つられて俺も声を落とす


「はぁ~」ため息をつくエイミーさん

「ま、いいや何の用?」


 本題を忘れる所だった、書庫で元々この村にあった建築物の設計書らしき物を見つけたから、さっそく役立ててもらおうと神殿の横で作業台を作っているはずのエイミーさんの所へ持って来る途中だったんだ。


「あ、これこの村にあった建築物の設計書っぽいのみつけたんで持ってきました」

「え?くれんの?」

「持って行っても良いけど、写本とか作るスキルあるなら書庫に戻したいかな」

「そっち系のスキルはまだ当分先になるから作ったら返すね」


 と話しながら作業場を見ると、骨と1が粘土のような物を小さい溶鉱炉みたいな物に塗りつけている姿があった。


「それ、溶鉱炉?」

「これは溶鉱炉を作る為の簡易溶鉱炉だよ」

「ああ、耐火煉瓦とかを作るんですねちょっと小さいかな?」

「鉄くずから釘を作りながら、本格使用に耐えられる炉を作る材料を作れるようにって親方の知り合いが教えてくれたんだ」

「ほ~情報源が他のプレイヤーの数歩先を行ってますな~。」

「あれはもうすぐ完成だから、明日には釘を生産できるようになるかな?」

「OK、じゃ俺は邪魔しないように退散するよ」


 と言って立ち去ろうとしたら、


「ちょっとまって、布とか余ってたら欲しいんだけど無い?」

「神殿に有るやつなら自由に使っていいよ?今エイミーさんが使ってる部屋の収納に沢山あったと思う」

「ほんと?ありがと~」


 エイミーさんはご機嫌な感じで骨達に次の指示を出しながら、自分の作業に戻って行った。


「つーか、あいつらは村の巡回もそこそこにエイミーさんの所に入り浸る事が多くないか?」と呟いたら


 小骨が首を縦に振っていた。


「よし、戻るか」小骨に声をかけ神殿の書庫に戻って本を斜め読みする作業を続けた。




 翌朝、俺が食堂に入るとエイミーさんが調理場の入り口に仁王立ちしていた。


「お、来た来た。ちょっとそこで待ってて」


 と言って調理場の奥から小骨の背中を押しながら出て来て


「ジャーン!どうよ?」と自信満々に評価を求めるエイミーさん。


 胸元にでっかいリボンをあしらった真っ白いワンピース(スカート部は膝丈)を着た小骨の姿をじっくり観察して


「うん、かわいいね(服が)、色が白一色なのは材料の関係か・・・、バイソンの皮がそこの部屋に有るから小物とかを作って合わせればもっと良くなるかも」


 胸の前で手を組んで宙を見つめる小骨の横で、エイミーさんがガッカリした感じで



「うぅ・・・徹夜して作ったのにこの仕打ち」と呟いた。



 ええ~、かなりの高評価のつもりだったのに俺の評価が気に入らなかったらしい。どうしろと・・・


 作った服はそのまま小骨が使用するようだったので、小骨に「良かったな、大事にしろよ」と言って朝食タイムに移行した。



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