職人募集
- 俺 -
ログインした俺は宿屋の女将さんにマントを売ってる店の場所を尋ね、即行でフード付きのマントをお買い上げした。
フードが深めの顔が隠れるやつだ、これでムービーを見たPCに俺だとばれない筈だ。
今15時過ぎだから今日はこのまま市場を見学し買い物して宿屋に戻ろう。
俺は塩と砂糖と葉巻を買い込み、ブラブラ町を散策した。途中、討伐者ギルドとか冒険者ギルドを見付けたので明日はそっちへ入ってみようと思いながら宿屋へと戻って行った。
- エイミー -
公式掲示板の情報と検索サイトで集めた物造り知識を元に、色々作ってみよう!
材料を本格的に集めるのは時間が掛かるから、今日の所は工房から貰ってきた端材でMy箸を生産しよう。
公式掲示板情報では枝をナイフで削って箸を作ったら木工スキルを手に入れたとあった。
私は工房でレシピを元に家具を作っていたので、普段使える自分専用の小物を生産するのはこれが初めてだ、鼻歌混じりに1膳箸を作って鑑定してみた。
アイテム名:樫材の箸(高品質) 樫の木で出来た箸
高品質だ、掲示板の人は100セット作っても高品質にはならなかったと言ってた。工房での修行の成果だろう。
手持ちの端材で木製のスプーンとフォークを作ってからその日は寝る事にした。
- 俺 -
翌日の早朝(昨日早く寝た為夜明け前に目が覚めた)、朝日が昇るのを眺めながら町を散歩する。
冒険者ギルドの前を歩いていたら6人組の冒険者がギルドから出て来て、町の外に向かって歩いていく。
今日訪問予定だったから開いてるなら用事を済ませようと思い中を覗くと受付のお姉さんと目が合った。
「おはようございます」と声をかけられたので、仕事を依頼するにはどうすれば良いかを聞いてみる。
どういった内容の仕事になりますか?と聞かれた所で、周りに人が居ないか確認し、
「家の領地に住み込みで来てくれる大工を探してるんですよ。生産職の心得があれば大工じゃなくてもいいんですが、来てくれそうな人居ますかね?」
「住み込みですか・・・難しいですね、職人は工房を持っているので町から出る人はまず居ませんし、生産職の心得がある人は冒険者でもごく少数なので・・・」
「あ、後モフモフに理解のある人と言う条件も付きます」
「モフモフ?」首を傾げるお姉さん
「わかる人はそれだけで通じるので、他の条件を満たしてもモフモフの意味がわからなかったらダメと言うことで」
「後、報酬なんですが、現金での支払いが難しいので領地内の土地を支給する形にしたいのですが可能ですかね?支給する土地の広さは要相談ですが、作業中の住まいはこちらで用意します」
「それは好条件ですね、拠点を欲しがる冒険者で条件をクリアできる人が居たら間違いなく請けると思います」
「明後日の昼には町を出て一旦領地に戻る予定なので、それまでに見つかれば一緒に来てもらう感じで、見つからなかったら2週間に一回の割合で顔を出すようにします」
俺は、ギルドへの手数料を支払い宿に戻って朝食をとりながら今日の予定を考える。
- エイミー -
いつもの様に工房へ行く前に冒険者ギルドの掲示板を眺めるていると、
大工(もしくはそれに準じる職人)募集
・住み込み可能な方
・報酬は現金ではなく土地(広さは要相談)
・作業中の住居は依頼人が提供
・モフモフに理解のある方
詳しくは窓口へ
と言う夢のような依頼を発見した。
自分でもびっくりするようなスピードで依頼書を剥ぎ取り、受付のお姉さんの所へダッシュした。
土地が貰えれば自分で家を作ればいい!プレイヤーホームが目の前に!
「この依頼受けます!今すぐに!」
「あっ、エイミーさんおはよう。どの依頼ですか?」
「この大工募集のやつです!」握り締めていた依頼書をお姉さんに渡す
「早朝に持ち込まれた依頼ですね、所でモフモフについては理解していますか?依頼人はわかる人はそれだけで分かると言っていたのですが、ギルド職員に知っている人が居なくて・・・」
「モフモフは心のオアシスです!この町では理解してくれる人が居ないんです」
「そうですか、依頼人は明後日の昼出発といっていましたので、明後日の朝ゆっくり目にギルドに来て下さい。それまでに依頼人と連絡が取れれば宿の方に連絡しますね。」
「わかりました!」
やった!これでプレイヤーホームを手に入れられる。と思ったところで、領地?大工?モフモフ?と考える。
プレイ開始直前にも見ていた、フェイ氏のモフモフパラダイス映像を思い出す。倒壊した建物が背景に映っていたような???
「この依頼、ひょっとしてフェイって人の依頼ですか?」とお姉さんに聞いてみる。
「あれ?知合い?」と聞き返された。
掲示板で噂になっていた「フェイ氏の住まいは南の魔の森説」はどうやら当りだった見たい。
「ちょっと仲間内で噂になってたので・・・」とはぐらかした。