ログアウト後
ログアウト後・・・
なんだこれ?全身ガクガクプルプルする!
モニターにゆっくり立ち上がってください。(転倒注意!)とか表示されてる。
プレイ中の脳みそ高速回転で体が動こうとする結果こうなるらしい。そういえば公式HP注意書きが有った気がする。
「イテテ、甘い物を体が欲している気がする」
ソロプレイの影響か、独り言を呟きながら家路に付く俺がいた。
帰る途中で買い込んだ甘味をパクつきながら公式掲示板を覗く。
既にいろんなスレが立ち上がっていたが皆、情報収集に苦労しているのが伺える。生産職人スレを開いてみた。
作業場が無い、機材が無い、狩で素材を手に入れても持てる量が少なすぎる等々、愚痴が溢れ返っている中、「レシピを手に入れろ」「工房の人と仲良くなれ」や「取り合えずリアルの知識で1個何か作れ、後はわかるな」等、職人コースに乗ったと思われる人々の書き込みが有った。
これで次回、職人探しをする際にPCに生産職が居ないと言う最悪の展開は避けられそうだ。
次に開いたのは「早く魔法使いになりたいorz」スレだ。
「どうすれば魔法を使える様になりますか?」の質問に回答が全く付かず、ひたすら愚痴をこぼすスレと化していたので、
「本を読んだら回復魔法を覚えましたが何か?後、召喚系魔法を1つ最初から持ってた」と書き込んだら、瞬時に
「kwsk!」
「あ、俺もゴーレム召喚最初から持ってた、他の魔法は使えない」
「∑( ̄[] ̄;)!」
「俺はアンデット召喚だったぜ?激弱だけどな」
「(´・ω・)うらまやしか」
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「どこに本は有りますか?」
「町中探したけど立ち入れる場所に書籍の類は無かったぞ?」
「www」
「(´・ω・)つ旦 お前ら落ち着け、そしてkwsk」
・・・凄い反応が返ってきた。
「キャラメイキングで選択した神様の神殿の書庫で本を読んだら、単体回復と集団回復の魔法を手に入れた。これが全てだ」
「どこの街の何神殿だ!」
「俺の居る神殿、武器庫しかねぇ」
「神殿の宝物庫に忍び込んで牢屋に入れられ餓死した俺が通りますよ~」
「www、何してんだよ?」
「デスペナについてkwsk」
「ログインした場所に強制送還、装備品・アイテム・金 全没収で持ち物囚人服のみ」
「詰んでる!」
「立ち直れないな」
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話がそれてる間に、公式HPが更新されてないかチェックする。
プレイヤーの皆様へ
皆様の中から投票で1名を選出し、その人がゲーム中の2週間でどの様な暮らしをしていたを30分間のダイジェスト映像にしてアップします。
つきましては、水曜日20時までに以下のフォームから見たいプレーヤーへの投票をお願いします。
公開は金曜20時を予定しています。
を、これはあれだ、美少女ムービーで顧客を逃がさないようにする奴だな。
でも俺PCの知合い1人も居ないから今回はパスっと。
掲示板に戻ると面白そうな奴を順に選んで見て行く。
「テイマー集まれ!」とか「苦行!、戦神の神殿 訓練参加者募集」等いろいろ有ったがリーマンの俺は明日に備えて早めに寝る事にした。
月曜から金曜日は仕事でクタクタ、半ブラック企業の下っ端従業員は帰ったら寝るの繰り返し(週休2日あるから完全なブラックではないはずだ、きっとそうだ)で土曜も昼まで寝ていた為、久しぶりに「RPG公式HP」を覗いた。
例の美少女ムービーをチェックしようとした時に、俺は戦慄した。
プレイヤー「フェイ」さんの2週間ダイジェスト(編集の都合上、時間軸にズレが有ります)
・・・目の錯覚か?イヤイヤイヤ、同名のほかの人に違いない!と意を決してムービーを見る。
俺ジャン!他のプレーヤー様は、
俺が骨を呼び出してうずくまるシーン、小骨を呼び出し気絶・1を呼び出す所を3連続でご覧になり(厨二的呪文は俺の声&字幕入り)
執務室で引き出しを漁る俺(この時のウインド操作が映し出された)や獣人をカッコ良く助ける骨を眺める俺を見ていただいた後、運営の悪意を感じるモフモフパラダイス(狐耳をモフる俺)や水中鬼ごっこ&小骨水没がやけに長く映された。
最後は対バイソン戦が運営の実況入りで映された後、焚き火を囲んで獣人達との楽しいキャンプファイヤーで締めくくられた(その後は引きこもってたので面白くなかったのだろう)
早速、運営にクレームメールを出した。返答がすぐに帰ってきて「他のプレイヤー様からは大変ご好評を頂いております。益々のご健闘を期待しておりますので、今後ともRPGをよろしくお願い致します。」とたまたま見た社員が適当に返信しました感の有る文面だった。
がっくりうなだれた俺は、掲示板をチェックする。
「フェイ氏の降臨を待つ板2」と言うのが一番上に有った。ちょっと覗いてみたら、モフモフずるいとか小さいスケルトン下さいとか場所はどこだとか、恐ろしい感じになっていた。
何も見ていない事にしてその日はTV見ながら次のプレイ予定を考えることにした。
翌日、他のプレイヤーに見つからない様に(キャラは10歳サバ読んだおかげで一目で俺とは気付かれないはずだが一応念のため)かなり早めにコンソール内に入り、退屈しながらログインを待つ事になった。