第一話
不定期更新のんびり投稿予定です
「・・・」
一面を稲(?)に覆われた荒れ果てた廃村にぽつんと立つ俺。
「何故?他のPCはどこだ?チュートリアルも無しなのか?」
ちょっと落ち着いて考えてみよう。
今日 大型量子コンピューターを使用し、アミューズメント施設の専用コンソールからのみログイン可能なVRMMORPGその名も「RPG](名付けたやつ出て来い!)にログインした。
毎週日曜日15時開始のリアル時間30分(内部体感時間14日)しか稼動しない上、施設の関係で全国で12,000人しかプレイ出来ない勿体ない仕様(1プレイ5千円、学割有り)だ。
キャラメイキングは「ログイン後の15分で操作途中でも強制的にゲームが開始されます」と公式HPに載っている割りに、触れる内容は一切記載されていなかった。結局パッと見で魔力をMAXまで上昇させ変わりに筋力と素早さを各25%低下させ、信仰する神を適当に(リストの下の方)選んだ。
種族やスキルは選択項目すらなく、選んだ神の説明も無かった・・・余った時間で年齢を操作してみた。
現在の自分の容姿を基に指定した年齢の想像図的な感じで再構成されるようだ、顔のパーツとかいじってる間に時間切れになると悲惨な事になりそうなので10歳ほど若返ってスタートを待つことにした。
そして最初にもどる・・・と。
ステータスを確認してみる。
名前 :フェイ
年齢 :25
性別 :男
信仰 :月影の女神
スキル:魔法生命体召喚
装備 :月影の剣
麻の服
月影の盾
スキルと装備品の詳細を開く。
魔法生命体召喚:月影の女神の祝福を受けた者が使用できる特殊魔法。召喚媒体が必要
月影の剣:柄に月影の女神の紋章が彫られたシミター
麻の服:一般的な麻の服
月影の盾:月影の女神の紋章が描かれた鉄製の盾
「ふぅ・・・」ため息しか出ない。HPとかMPとか出ないのか?LVは?分からんから後回しにしよう!
剣と盾に月に照らされた骸骨から伸びる影が書かれていてちょっとカッコいいと思ったのは内緒だ。
周りを見渡すと、稲とかなり昔に焼け落ちたと思われる木造家屋と人骨があちこちに有る。
「盗賊にでも襲われたのかね~?」
独り言を呟きながら使えそうな物が無いか探す俺。
稲を掻き分け、村の入り口付近に出た所で焦げた金属鎧を着た骸骨が俺のと同じ剣と盾を持ってるのを発見した・・・