第捌話 それぞれの反省会
「将軍、大丈夫か?」
クラインはグラスレイの部屋に訪れていた。グラスレイは誰も寄せ付けない強さを見込まれ将軍という立場にいるのだ。そのグラスレイがたった一撃とはいえ喰らい、なおかつその一撃で戦闘不能まで追いやられたのだ。彼らにとっては非常事態といっても遜色ない。
「がはは!こんな傷つべでもつけとけば治るわい!」
「将軍、見た目と違って内臓はかなりボロボロなんですから強がらないでくださいです」
「マリア、将軍の状態はそんなに悪いのか?」
「最悪です。良く生きていたなって感じですね。内臓なんて原型が分らなくなるくらいにボロボロの場所もありましたです」
「将軍はしばらく休養しろ」
「がはは!そう言われては仕方ないな。まあ、休んでやろう」
「すまないな将軍」
「別にそなたが謝ることではないわい。儂もきゃつの能力を侮ったそれだけよ」
「分った。存分に休んでくれ」
「おう」
クラインはマリアを伴ってグラスレイの部屋を出る。
「マリア」
「はいです」
「実際どうだったのだ?」
「真面目な話なのですが、将軍は死んでもおかしくありませんでした」
「どうやったら一撃でそんな一撃を貰う」
「理論ならば提示できないことはないのですが……」
「どうしたのだ?」
「マスタークラインですら再現は間違いなく不可能なのです」
「どういうことだ」
「将軍の傷から異常なまでに圧縮された魔力を検出したです。圧縮率でいうなら1000%は超えてますです」
「は?」
「その魔力を叩き込んで爆発させたです。それも、将軍の話からするとたったの一瞬でそれをやってのけたのです」
「くはは!確かにそれは俺でも不可能だ」
「です。ハッキリ言って化け物といっても問題はないかと思うのですよ」
クラインは顔を変えた
「マリア」
「はいです」
「今後の計画を全部立て直す。手伝え」
「はいです!」
そうして二人は廊下から消えて行った。
+++ † +++
「お姉様、言い訳はありますか?」
「無いです……」
セフィリアの部屋では現在、セリーナの説教が行われていた。
「確かに開放は許可しましたよ?ですが、やりすぎです!見られていたらどうするつもりですか!相手にも見られるわけにはいかないものではないのですか!」
「は、はい。その通りです……」
うなだれるセリーナ。
「全く。確かに許可を出した私も悪いのですが……。とりあえず、今後は気を付けてください」
「うん……。御免ね、セフィ……」
「別にいいよ。私だって本当はお姉さまを怒りたいわけじゃないから」
「うぅ……」
「もう、そんなに落ち込まないでよお姉様。私だって怒りたいわけじゃないんです。限度というものを考えてほしかったんです」
「……」
「お姉様だって自分が聖女だってばれたくないでしょ?」
「うん……」
「だから」
「わかった……、わかったから……ご飯を食べさせて…………」
そのまま、セリーナは倒れた。
「あ、クリス~。何でもいいから食事を持って来て~。後、輸血用の血もお願い~」
「はぐはぐ」
ものすごい勢いを食べるセリーナの横で今度はルーク達が説教されていた。
「あなた達もよ。少しは危機感を持って事態にあたってほしかったな」
「「「その……すいません」」」
「謝ってすむ問題だと思ってる?最悪死んでたのよ?」
「「「…………」」」
「まあ、生きて帰ってこれたからいいものの。とりあえず、しばらくはここで修業づけね」
「はい?」「え?」「??」
右からルーク、ミア、神威だ。
「今回の事件からかなり深刻な事態が起きている可能性があると判断出来たの。だから、そのための戦力として、あなた達を使えるレベルまで上げるために特別授業よ」
「ですが、セフィリア様。学校もありますし」
「それは大丈夫。話は付けてあるわ。お姉様とあなた達三人はね」
「そうですか……」
「まあ、お姉様には他に戦力になりそうな人を学院から引っ張ってきてもらうけどね」
「セフィ~、私には無理だよ?まともに使えそうなのはここにる三人くらいよ?」
「誰でもいいの。その人たちの修行はおねえさまに任せるから」
「鬼ーー!」
「反省の意味を込めてよ」
「わかりました……」
「じゃあ、そう言うことでいいわね?」
「……わかったわ」
そうして説教は終わった。
これにて、この章は終りです。
とりあえず、次回からは少し展開を早くするつもりです。ですから、話が突然飛びますが、ご勘弁を。
ではっ!




