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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第八章 初級冒険者、下層に潜る
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⑥隠し部屋

 十数分後。

 予定通り、俺達は採掘場へと到着した。

 シランドがダッカ―と共に周囲の安全を確認する。

 やはり、冒険者の姿はない。

「よし、小休止したらすぐに採掘しよう」

 適当な大きさの岩を見繕い、それぞれが腰を降ろす。俺も平らな面の岩を探すとそこに座り、背嚢から水筒を取り出して口に含む。

 第一層でも散々に見てきたが、鉱石が取れる場所の凡その場所が見えてくる。模様に見える茶色い層、そこを叩けば比較的質の良い鉄鉱石が掘れる。

 十分の休憩の後、俺達は各々に鶴嘴を持って個別に壁を叩き始めた。


「確かに、第一層のものと大して変わらないな」

「そうなんですか?」

 俺が持つ鉄鉱石を後ろから覗くようにロロが呟く。先程まで、彼も見様見真似で鶴嘴を振るっていたが、どちらかと言うと鶴橋に良い様に揺られすぎていた為、俺が採掘し、ロロがそれを拾って袋に詰めていくという分担作業になっていた。

「多分な」

 そもそも専門家ではない。色が似ているという理由で判断しただけで、真偽の程は分からない。

 考えても仕方がない。兎にも角にも、掘って掘って、鉱物を可能な限り持ち帰って金にする。今はそれだけで十分である。

 話を適当に投げ合い、鶴橋を今一度大きく振り上げた。

 そして、軽い音と衝撃。


「ん?」「あぁっ!」


 壁に開いた小さな穴と亀裂を皮切りに、岩壁が大きく崩れ落ちた。

「部屋? 隠し部屋かっ」

 崩れ落ちた壁の奥には、二、三人が入れる空間があった。

 そして、その先にある古びた箱。


「た、宝箱ですよ!」

 ロロが指をさし、声を上げる。

 ダンジョン化した環境で稀に存在する人口物。多くの説が飛び交うが、どれも明確な証拠がない為に論争が尽きない不可思議な現象。

 それが宝箱である。

 中は空っぽのハズレから、人生を一変させる価値ある物までと幅広い。

 俺達は部屋の周囲を確認した上で、恐る恐る中へと入る。

「りりり、リュウさん。ぼぼぼぼ僕、初めて見ました」

「………落ち着け。俺も、そこまで多い方じゃない」

 宝箱を左右に挟んで二人が立つ。木製の壁面に、角は銀色の金属で補強されている。

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