表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第六章 初級冒険者、試験を受ける
59/81

⑦路地裏の先で

「御免なさい。私のせいです」

半亜人(ハーフ)だからか? だからってお前は悪くないだろう」

 そう言いながら、原因の一つに幼馴染の存在がある事は察している。

 肌は人間と同じ色だが、猫亜人(バステト)特有の尻尾や頭の上の尖った耳、縦に長い色瞳は隠しようがない。知る者が見れば、ものの数秒で彼女が半亜人(ハーフ)である事が理解できる。

「きゃっ」

 人ごみに圧されるように、ティリアの肩がすれ違った男と擦れるようにぶつかった。男はティリアに視線を一度落とすが、すぐに前を向いて無言のまま去っていく。


「………大丈夫か!?」

 これだけの人通りの多さ。故意かどうか分からない。

 例の条件がある以上、無暗にこちらから問題を起こす訳にもいかない。俺は一度振り返り、彼女の様子を確認する。幸い彼女に怪我はない。

 ティリアが視線を左右に向けながら、僅かに体を震わせている。

 まるで、親に置き去りにされた子どものように。

「ここは人が多い。あの裏手から店に向かおう」

 一年も暮らせば、大通り周辺の地理にはある程度詳しくなれる。ここと比べれば、やや治安は良くないが、だからと言っていきなり刃物を向けられる程、この街は腐っていない。

 俺は、適当な路地に向かって親指を向けると、彼女を先頭にしながら周囲に目を配るように進んでいった。


 路地に入って五分後。

 俺達は貧相な顔立ちの男らと目が合い、そして声を掛ける間もなく刃物を向けられてた。

 どうやら俺の知らない短い間に、随分と腐っていたらしい。

 細い路地を出る直前、大通りからは光の加減でこちらの姿が見えず、路地裏の先の通りでは男達の背中が壁となって、彼等が持つ刃を隠してしまっている。

「へ、へへ。食い物の袋を置いていってくれれば、何もしねぇよ」

 汚い身なりの痩せ男の口が無精髭と共に動き、ありきたりで汚い言葉を吐く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ