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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第五章 初級冒険者、実力を知る
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⑬覚悟の先

 ショーンの言う通り、一年足らずの冒険者の力量などたかが知れている。数年も生き残れば、それなりには上達するだろう。

 だが、俺はいずれという時間を待てる程、余裕のある人間でも才能のある人間でもない。下手をすれば、一年以内に醜く死ぬ事だって十分にあり得る。

「いずれじゃダメなんだ。一日でも早く強くなりたい………です」

 不慣れな敬語を纏わせる。


「何故だ?」

 ショーンが尋ねた。

「何故、そこまで急いで強くなろうとする」

「………俺が昔やってしまった事を、二度と繰り返さない為に」

 幼少の頃、冒険者ごっこで(つつ)いた洞窟。その代償として俺は親友を失い、その妹からも笑顔を奪ってしまった。挙句の果てに奴隷として目の前に現れた事は因果と呼ぶ他ない。

 どこまで彼に伝わったのか分からない。だが、目の前の男は完全に足を止め、腕を組んだまま沈黙していた。


「本気か?」

「はい!」

 即答した。しなければならないと思った。

 だが、未だにショーンの表情は硬いままである。

「悪いが、俺は会って間もない人間の言葉を信じる程、甘くはない。お前がどこまで本気か、見させてもらう」

 そして、明朝に装備一式を整えて自分の家まで来るようにと指示する。

「その試験に合格すれば、教えてくれるのか………ですか!?」

 兆しが見えてきた事に、俺は顔を徐々に上げていた。

 ショーンがその問いに頷く。

「だが、失敗すれば終わりだ。もう一度はない。それ所か、場合によってはお前にティリアを売る話もなかった事にする」

「………分かりました」

 失敗の代償を告げられ、心臓が締め付けられるような苦しみに襲われつつも、必死に答えた。

 覚悟を試されている。それだけは理解できた。

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