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Lost13 無名の青年が無名で終わる物語  作者: JHST
第四章 初級冒険者、幼馴染と再会する
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⑥再会

 ショーンが残った珈琲を飲み終えると、立ち上がった。

「さて、俺はそろそろ仕事でギルドに向かうが………お前さんはどうする?」

 手持ちの資金なら、今日位は休む事が出来る。怪我も治りきっていない状況からも、休息は決して悪い事ではないと説明を受ける。

「俺は………」

 正直迷っていた。

 体が覚えている内に、再度同じ洞窟で稼いでおきたい積極的な自分と、完治していない事の危険性を訴える自分とが拮抗している。


 その時、外の扉がゆっくりと開かれた。


「洗濯が終わり………ました」

 少女の声。

 扉の背後から漏れ出る逆光で顔までは分からなかったが、先程の猫メイドと同じ服装である事は分かった。

「あぁ、おかえり。ティリア」

「………ティリア?」

 ショーンが繰り返した名前に、俺の記憶の引き出しから一人の人物が示される。

 扉が閉まると光が細くなり、少女の顔が明確になっていく。白い肌に白と黒が混ざった長髪、身長の割に合わない痩せた体。

「ティリア!」

 俺は、大きな声で幼馴染の名を呼び、彼女に駆け寄った。

「………り、リュウ?」

 メイド姿の少女は、俺の名前を返しながら目を見開き、驚いている。

 

 間違いない。

 

 目の前の少女は、同じ村にいた幼馴染。泣き虫の、そして親友の妹だった。

 痛みは一瞬で吹き飛び、この一年で一番嬉しいと呼べる感情が沸き出て止まらない。俺は彼女の両肩に手を置きながら、再会を喜んだ。

「いやぁ! 久々だな! 一体、今までどうしていたんだ!?」

「えっと………その、あの」

 相変わらず、口下手ですぐに答えられない所もまた、懐かしい。


「………コルティ」

「はい、御主人様」

「しかし、こんな近くにいたなんて………って、うおぁっ!」

 彼女を中心に据えていた視界が、いきなり天井に近付くなり、さらに反転。気が付けば、もう一人の猫メイドに背中の鎧を掴まれて持ち上げられ、先程まで座っていた椅子に強制的に座らせられていた。

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