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追放された魔術師に声をかけたら異世界から来たチート級の魔法少女でした。~不撓不屈のオルカ~  作者: unnamed fighter
【第二章】アウトオブザマウスカムズイーブル

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第11話◆ 我ニ策アリ

 拝金主義魔術士のところからアパルトメントに戻ると、俺の部屋の前でイノリが立っていた。


 全体的に元気がないというか、落ち込んでいる雰囲気を醸し出している。今日の稼ぎを渡すために待っていたわけではなさそうだ。

 

 ギルド前で別れてからなにかあったのだろうか。


「嬢ちゃん、そんなところに突っ立ってどうした?」


 俺が声を掛けると彼女は顔を上げた。


「あの……その……実は、その……」


 もじもじと視線に落ち着きがない。いたずらがバレたときの子供のようだ。バツが悪い顔をしている。


「とりあえず部屋に入ろう、話は中で聞くよ」


 自分の部屋に招き入れ、彼女を椅子に座らせて理由を聞いてみると、ギルドで《紅き鮫》の連中に絡まれたとのことだった。

 奴らから模擬戦を提案されたくだりのところで彼女は言いよどむ。


「――で、受けてきちゃったの?」


「……はい、ごめんなさい」


 イノリは申し訳なさそうに肩を落とした。


「まあ、受けちまったものはしょうがない。それで模擬戦はいつだい?」


「三日後の正午です。場所はあらためて連絡が来ることになっています。それから、そのとき気になることを言われたんです」


「ふむ、どんなことを?」


「クエストの難度が上がればお前たちは冒険者として通用しないって、その理由を教えてやるって言っていました」


「あー、まあ、そうだろうな」


「え!? 分かっていたんですか??」


「いつか壁にぶち当たることは知っている。俺たちがモンスターと戦っている状況を思い出してみな」


「状況?」


 いくらも経たずに彼女の瞳が瞬いた。どうやら答えに至ったようだ。さすが頭の回転が速いな。


「……そうか、人数ですね……」


「そう、単純な戦力差だ。俺たちは多人数を相手にする場合はかなり分が悪い。それは対モンスターでも変わらない。俺ひとりで三分間を凌ぎきれなければ俺たちは詰みだ。最初の戦いでキマイラが二頭いたら死んでいたかもしれない」


「……あの人たちは私がすぐに魔法を使えないことを知っている。だから魔法の威力や性質に関わらず全員で速攻を仕掛けてくれる……」


「そういうことだ。ま、解決方法としては前衛職の仲間を増やせばいいんだけど、今からじゃ難しいだろうな。かと言って傭兵を雇う資金もない」


「ど、どうしよう……」


 不安げな彼女に俺は「心配ない」と伝える。


「でも、相手は四人なんですよ。モンスターと違って連携した攻撃を仕掛けてきます」


「大丈夫、嬢ちゃんの言うようにモンスターと人間の戦い方は違う。俺に考えがある」


「なにか作戦があるのですか?」


 俺はニッと笑う。


「ああ、伊達に二十年近く冒険者やってる訳じゃない。さあ、もう部屋に戻った方がいい。こんな時間まで少女を部屋に引き留めていては、あらぬ疑いをかけられちまうからな」




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