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天使とは  作者: 森永
1/1

偏見

人間はあまりにも、「天使」という生き物を美化し過ぎているのではないか。

―天使。

それは、きっと純白で、儚くて、そして。

美しい生き物なのだろう。

だけど、私は考えた。

天使とは、「不死」という牢獄に監禁された、憐れな者なのではないか、と。

なぜそう思ったのかなんて、説明はできない。

ただ、直感的に、そう感じたのだ。

もしも私が天使にあったら、こう問いかけるだろう。


「貴方は今、幸せ?」


天使はこの問いに、なんと答えるだろうか。


――


私が小学校3年生の頃だった。

我が岩井家に、新たな家族ができた。

父さんも母さんも、泣いて喜んでいた。

母さんが、「この子は天使のようね。」

と、泣き笑いして言った。

私は疑問に思った。

「お母さん。お母さんは、天使を見たことがあるの?」

母さんは、一瞬キョトンとした後、ぷはっと笑った。

「何言ってるのよ。見たことなんてないわよ。」

「なら、どうして天使みたいってわかるの?」

母さんは苦笑いした。

「天使を見たことはないけど…。天使って、真っ白で綺麗な羽に、真っ白なお洋服を着た、キラキラした生き物なの。だから、この子はそんな天使さんとおんなじくらい綺麗だから…。天使みたいって言ったのよ。」

母さんへ、「天使を見たことがないのに、なんで羽が生えてるって知ってるのさ!」と言おうとしたが、やめた。

これ以上水を刺したら、空気が悪くなってしまいそうだから。


小さな頃から、私は変な子供だったのだと思う。

天使の話で言えば、これだけではない。

母親から、天使の絵本を読んでもらった時。

「天使は神様のお手伝いさんで、ずっと神様といるんだよ」

という話だったと思う。

お手伝いさん、といいように言っているが、悪く言えばパシリではないか。

それか、金魚のフン。

なんでそんな生き物が、美しいだの綺麗だの言われるのが?

うーんうーんと、寝る前に考えて、ハッと気がついた。

天使という生き物は、皮肉を言われているのではないか?

本当は醜くて汚らしいけど、それを美しいとか綺麗とか、正反対の言葉を投げかける。

じゃあ、神様は--

天使の処刑係?


そんな事を小学4年生で考えていた私は、変な子供だったと思う。

だけど、その変な思考回路は大人になった今でも残っている。

必要なことは忘れるくせに、必要でないことは忘れる。

それが私だった。

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― 新着の感想 ―
主人公すごいな、小4で「天使がパシリにされてる」って思い付くのはもう変を超えて天才なんよ。続き楽しみに待ってるね♩
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