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蜉蝣

眠りに落ちて再び目覚める保証はない

このまま死ねば肉体を持つ面倒臭さから解放されるだろうか?

体を養っていかなければならない苦痛らしきものは確かにあって、あとどのぐらいの時間を経ればそこから抜け出せるのか?

このまま息を引き取れば…

恐怖はない

あるいは正も悪も行わず物質的なモノもさして望む事もなく、ただひたすらに時が過ぎゆく流れに身を任せているだけの存在

18年生きてきて時間を重ね歳を取りすぎた

果たして幾つの時が刻まれれば願いは叶うのか


夜の道を歩く

コウロギ系の虫の声が聴こえる

しかし夏の暑さが支配している頃に比べれば虫の声は小さくなった

温さから涼しさ、そして肌寒さへ

もう暫くすれば声は聞こえなくなるだろう


半袖から長袖に変わり道を行く

大した距離は歩かない

ガソリン車に比べて電気自動車の音は静かでよい

そろそろ自販機も温かい飲み物が切り替わり始めるだろう

温かい飲み物は寒ければ寒いほど癒される


少し歩いて自宅へ戻る

家の外壁に緑色の小さな羽虫がくっ付いている

草蜉蝣だ

寿命が短く儚げと言われるカゲロウ

暫くその虫を眺めている

見られている事を知ってかカゲロウはこちらに向き見てきた


この子は寿命が尽きて落ちるまでどのくらい生きるのか?

少なくとも私よりは早くに死ぬだろう

しかし寿命とは分からないもの

先に死ぬのは自分であるかもしれない

生というよく分からないモノに縛られていても時としてだからこそこういった出会いもある


「またね」


お互い明日生きている保証はない

もう会うことはないかもしれない

しかし確実なのは私もカゲロウも今この場には確かに存在しているという事だ

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