最終章「拳が貫く、真実と運命──魔帝との最終決戦」
◆ 運命の始まりは、スラムの闇だった
全ての裏には、一人の貴族がいた。
その名は──レイモンド・ヴァルフォード。王国魔導院の上級評議員であり、魔族と秘密裏に契約した“堕ちた魔導貴族”。
ガルドの育ったスラムに魔力実験場を設置し、子供たちの魔核を強制的に抽出。
ミーナもその実験対象として捕らえられていた過去が判明する。
「貴様のような筋肉バカが、ここまで辿り着くとは……滑稽だな」
レイモンドの傍らには、黒い鎧をまとった巨影──魔族の王、“魔帝ザガ=バルド”が姿を現す。
「人間の血は、愚かで美しい。お前の“筋肉”もまた……美味なる供物だ」
魔帝は語る。ガルドの“肉体”は魔族にとって、魔核融合の鍵。
筋肉に魔力を完全に馴染ませたその身体は、彼らの進化の“触媒”なのだ。
「だから俺のスラムを……俺の仲間を……!」
ガルドの拳が震える。
「奪っていい理由にはならねぇんだよ!!」
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◆ 激突──魔帝との最終決戦
王都の空を覆う暗黒の結界。その中心で、最終決戦の幕が上がる。
「全員、行くぞ!!」
ガルド、セリーネ、ラウル、シェルカ、そして学院中の仲間たちが力を結集し、魔帝に挑む。
雷、氷、風、影──
あらゆる属性魔法が交錯し、空が裂ける。
だが魔帝はそのすべてを喰らい、なおも立つ。
「魔力は……無限!?」
「このままじゃ、押し切れない……!」
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◆ 筋肉の覚醒──「魔神化」
満身創痍の中、ガルドの肉体が青白く輝き始める。
限界を超えて、魔力と筋繊維が完全に同化する瞬間──
「お前たちがくれた力、全部借りるぞ……!!」
ガルドの全身から炎と雷が噴き上がり、闇を裂いて天に届く。
体格はさらに巨大化し、背中には魔力の“幻影の翼”が広がった。
「筋肉魔神──ここに降臨!!」
その一撃は、天を裂いた。
「魔拳奥義最終式──《真・超絶・拳覇爆雷砲》!!」
巨大な拳が魔帝の胸を貫き、瘴気の核を破壊する。
「……我が……進化の鍵が……!」
魔帝ザガ=バルド、滅す──。
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◆ 闇の終焉、そして新たな時代へ
王国上層部の腐敗は暴かれ、スラム出身者や一般の魔力適性者にも学院入学の道が開かれる。
魔法は“血筋の特権”ではなく、“努力と可能性”の象徴へと変わりつつあった。
「なあ、ガルド。お前、これからどうするんだ?」
ラウルが聞くと、ガルドは空を見上げ、笑った。
「俺は学院に残るぜ。筋肉魔法を教える、“筋導師”ってやつにな」
「絶対流行らねえけど……まあ、お前ならいけそうだな!」
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◆ セリーネとの別れと始まり
卒業式の日、セリーネがガルドの元へと歩み寄った。
「あなたと過ごした日々、全部が……私の中の常識を壊してくれた」
「悪かったな、全部ぶっ壊すのが趣味でよ」
「……私、王国の再建に戻るわ。だけど……」
彼女は頬を赤らめ、少しだけ目をそらして言った。
「次に会う時は、あなたと“対等”でいたいの。今度は、ちゃんと、魔法で」
ガルドは静かに頷いた。
「その時は、拳で勝つ。全力でな」
◆エピローグ──筋肉は裏切らない
ガルド・ストラグル。スラム出身、拳で魔法を制した男。
彼の伝説は、王都を越え、大陸中に語り継がれることになる。
“拳聖”──魔拳流始祖。
それが、後の時代で彼に与えられた称号だった。
筋肉は裏切らない。
努力も、絆も、想いも、全部を受け止めてくれる。
だからこそ、彼は歩き続ける。
仲間と共に、拳を信じて。
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〈完〉




