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愛に生きるということ
絵子と灯は子供を作らないカップルだ。灯は自分の欲より愛を選んだのだ。
絵子と灯を不妊カップルだと思った人は口々に養子縁組制度を勧めてきた。そのたびに二人の心は痛んだが、自分たちの選んだ道を後悔はしなかった。
絵子も灯も自分たちが「普通でない」ことを誰にも言わなかった。それを言っても幸せになる人は誰もいなかったからだ。これから死ぬまで灯は普通の男性として生きると誓った。それは灯が亡くなった絵子の恋人・明人を愛していたからだ。絵子を愛することは亡くなった明人を愛することなのだ。
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未来に続く