調査報告(2年目27週目_祭りについて)
本報告では、ノルデでの祭りについて報告する。
この世界にも、多種多様なお祭りがある。換毛祭というものが2週間にわたって開催される。
換毛は、毛を持つ動物にとって季節の到来を知らせる大事なものだ。しかし換毛はもう、人や亜人の間で起こらなくなった。寒いときは服を着るようになったためだ。犬人、猫人などは全身に毛があるが色は年中変わらない。ただ、祖先をしのぶため、換毛を再現したいと思うらしい。換毛で、友達やパートナーの古い毛を取ってほしい、取ってあげたい欲望があるそうだ。
そこで、古くから換毛祭というものが開かれるようになった。人々は、一部の毛、特に首筋や背中の一部を染める。ここは自分で手入れできないから、毛づくろいしてくれという主張をするように。異性の首筋や背中を毛づくろいするようなしぐさで撫であっている若者がいる。互いに顔を真っ赤にしている若者がいた。同性同士でもやや乱暴なしぐさで搔いている。バレンタインのような浮ついた感覚みたいだ。パリピが好きそうな祭りだ。
我々毛がない人種は、祭りの蚊帳の外にいる。なんであんなに盛り上がっているかさっぱりわからない。毛が無い人種は、祭りの期間の特別なバイトに従事することもできる。染色屋のバイトだ。手を使って、亜人の注文に合わせて毛を染めていく。換毛祭中の亜人の中では、手が変に染まっている人は大変ダサいという扱いらしい。自分の手の毛並みすら整えられないのはダサいそうだ。そこで自分で染めるのではなく、手に毛がない人種が塗料を手に取り客の注文に合わせ、希望の色で毛並みを染めていく。バイトを繰り返すと、手が紫色になっていくが、それを『ナス』というらしい。紫の野菜に似ているらしい。
ちなみに、陰キャの毛がある亜人にとっては地獄の期間らしい。死んだ顔で図書館にこもっている人を何人か見た。
【地球用語解説】
パリピ:Party Peopleの略。派手好き。大多数でお祭り騒ぎするのが好きな人々。彼らがいるおかげで、芸能や異文化交流が発展した。
陰キャ:少人数、もしくは一人で行動するのが好きな人々。一人で自然に触れるのが好きな人々。彼らがいるおかげで科学技術や文学が発展した。




