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異世界調査・活動報告(週報)  作者: 香川 尊


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調査報告(24週目_散髪について)

 本報告では、散髪について調査したため、それを報告する。


 散髪屋。それは、専門職である理髪師が働く店である。これは地球も異世界も変わらない。違うことは、切った髪は回収して、散髪店が買い取る仕組みだ。買い取った額は散髪代から差し引く。


 この世界には、石油がない。石油がないということは合成繊維がない。(石油をたたえよ!)そうすると、繊維状のものを得るためには、植物の線維か、動物の髪の毛しかない。人の毛も筆や、油をよく含むためグリスを保持する部分に使われる。何人か、髪の長さ、髪質で髪の値段も変わっていき、人によっては、ちょっっとした小遣い稼ぎになるらしい。私の髪の毛は、散髪代1,000セルズから、100セルズ割り引く程度だった。


 私が毎日使っている歯ブラシも、毛の色が一部違うものが混じっているので、おそらく散髪店で切ったものを使用したものだろう。馬人のものか、豚人のものだと思われる。


 太宰治(作者があっているか自信がない)が書いた『羅生門』では、老婆がかつらを得るために、死人から髪の毛を取ってた描写があった。私の髪の毛は、何になるのだろうか。かつらか、筆か、それとももっと別のものか。髪の毛や服がそれなりの価値になるのは、『羅生門』とこの世界も同じだ。


 私も、助手職になれるという希望がなく、心がやつれていったのなら、あの老婆と同じことをしたかもしれない。

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