閑話--官立ノルデ大学魔術応用部タールズ教授の考察
今日は客人が来た。以前手紙を出した主だ。
出版した本の間違いの指摘は、本の出版後たまに来ている。しかし、彼なりの考察やアイディアが熱を帯びていたので来るように手紙に書いたらすぐ来た。分厚い資料を携えて。
なんと熱心な若者だろう。私の講義を受けている学生に分けてほしいくらいだ。また、アイディアに過ぎないが、面白い魔道具の応用についても話してくれた。困難が予想されるが、もし実現できたらすごいことだろう。また、数学については、変な癖があるが、うちの学生と同じくらいは扱えていることも分かった。農民の出で、図書館の本で勉強し、魔道具関連の仕事に就くのが夢だという。生まれが貧しくても努力できる人がいると実感した。
また、彼は亜人語を話せるといったが、私の蝙蝠語でも話せていた。発音も難しくマイナーな言語である蝙蝠語も話せるとは。亜人と会話したくて片っ端から覚えたと言っていたが、なんと学びに真摯なのだろうか。
彼を助手として誘ってみることにした。条件は決して良くないが、彼は飛びついてくれた。いまの仕事で行っている魔道具修理の経験が、助手に役立てられるだろう。彼の素行については、調査部門に頼むことにした。ないと思うが、素行が不良の場合は雇うのを止めればいいだろう。




