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魔王、縁故採用で職を得る

 面接の予約を入れて、その当日になり募集主に会えました。


「なんじゃ、お前か」

「お久しぶりです、師匠」


 アカシア・ジンデルは魔法の師匠と同姓同名だったので、もしやと思いましたが予想通りだったようです。

 縁故も、また求人の基準の一つでは有りますしこう言った縁も馬鹿に出来ないものです。


「それにしても久しぶりにお前の顔を見たが、やる気の方は学生の頃と変わらず全く見られんな」

「恐縮です、師匠もお変わりなく」

「恐縮するな、馬鹿者が。それにしても期待もしとらんかった魔界側の募集でお前が捕まるとはな」

「あ、魔界側って事は本来は人界側の募集がメインですか」

「そうじゃ。まぁこっちは駄目元で募集しとった奴じゃから、連絡が来た時はどんな食い詰め者が来るかと思ったぞ」

「人が足りない状況なんですか?」


 師匠は両手を組んで少し考えて答えました。


「まぁ足りんと言えば足りんが、今の規模でも回せん事も無い、とも言える」

「いや、どっちです」

「まぁ何と言うかな、うちはギルドなんじゃがギルドマスターに癖が有っての」

「えぇ……」

「そう嫌そうな顔をするな、悪い意味では無いわ。そ奴としては出来る限り手広くやる方針のようなんじゃが人選が良く分からんのよ」

「何ですかそれ……」

「じゃから顔に出すな。奴は雇う時はきちんと雇うし、居心地は悪くない。離職率も相当低いぞ」

「そうですか」

「とりあえず、儂の部下でなら採用権限はあるが、どうする?ギルドマスターでなく、ギルド職員が雇っとる扱いじゃな」


 なるほど、ギルド中枢の人間は恐らくギルドマスターが管理しているのでしょう。

 今回はギルド中枢の一人であろう師匠が自分の仕事をさせるために雇うという形なんでしょうね。


「お願いします、師匠が居るのであれば悪い所では無いでしょうし」

「うむ、それは保証するぞ。では早速人界へ向かうとするか」


 こうして、無職になった元魔王ですが、人界のギルドに(間接的に)所属する運びとなりました。



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