第5話:俺の体が持たないよ…
幼馴染っていいよね!
「お金なら私が貸そうか?」
「え、本当か!?」
「いいわよ。ただ、貸しだからね!」
「ああ、勿論。借りた分は必ず返すよ。」
「よしっ、じゃあ行こっか!」
そう言ってメルスナは宿屋に入っていった。受付では、相変わらず少女が一人で本を読んでいた。
「メジャ、久しぶり!」
「え、メルスナさん!?」
メルスナがそう声をかけると、少女は立ち上がって嬉しそうな顔をした。俺が来たときとは大違いだ。
「何だ、知り合いだったのか?」
「うん。ここには来たばかりの頃お世話になってね。メジャ、こいつがハルト。仲良くしてあげてね」
「え…あなたがハルトさんだったんですか……まあちょぉっとがっかりしましたけどよろしくおねがいします。」
「何だそれ…」
俺は困惑していたが、メルスナはそんな事は気にしない、といった感じだった。
「メジャ、ハルトとマズランさんの分のお金はとりあえず私が出すから、泊めてやって。」
「わかりました。ではこちらにどうぞ。」
こちらにって言ったって、どこにも行けないじゃないか、と思っていると、壁が開いて、通路になった。
(通路が隠されてたのか…)
そして、連れてこられた一つの部屋を見て、俺は、
(え、これまさか、マズランさんと一緒の部屋!?これじゃあ気が持たないよ…)
こんなことを思っていると、メルスナが狂ったことを言い出した。
「よし、宿もとったし、冒険者ギルドに行くわよ!」
「…行くわよって、今から?」
「そうだけど?」
俺の体は悲鳴を上げた。
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